まず、礼儀正しい男子生徒がジャージで一人来た(実は、母と二人の弟ともここで待ち合わせ)?
で、自分が「テスト週間?」と聞くと「そう」と言う(卓球のサークルで、知ってたので)。
「ヘルプマーク?」をつけている?
色々と、中学の事・テストの事を聞くと「自分は、時別支援学級です」としっかり言う。
「うーん、ヘルプマークつけているもんね」っとサラッと返す。
そして、誰かが「地元イベントで使う、小中学生の絵?の用紙」を配り始めた。
その生徒は、テスト勉強無視で?それを始めた。
スマホ・タブレットはあるようで、それを見ながらアニメを描き出す?
自分は言ってみた「アニメも良いけれどさ。オリジナルの絵?描かない」と。
で、色々とキーワードを聞き出してみた。
結果、彼が「鉄ちゃん」(鉄道が好き)と知った。
自分から「じゃあ、あの〇鉄の××××描いてみたら。スマホで写真を探して」と言う。
まあ、それは簡単に見つかった。
で、彼は描き始めたけれど「画面への入れ方」(構図)を知らない(全体と部分が見えない?。そもそもその訓練を受けてない?)。
ちよっと……だけれど「画面への収め方」を簡単に、鉛筆で入れてあげた。
そこから、彼は夢中になり、まずアウトラインを自分が思った以上に描く力はある。
ここで、美術の魔法の合言葉「すごいじゃん……(何が凄いかは、あえて言わない)」。
で、色を塗り始めようとしたが、そこにあるのは「マジック」「蛍光ペン」みたいにものばっか?
これじゃ描けんだろうと思って、車から、色鉛筆セットを持ってきてあげた(彼の写真の上にあるやつです)。
全然多くない?色数?だけれど、巻きものみたいに「クルクル開く色鉛筆」に彼は夢中。
途中「色鉛筆の塗り方の基礎」を1分程度だけアドバイス。
当たり前だけれど、2時間弱じゃ完成は難しいし、丁寧に塗ればなおさら?
年少の子どもが、叫び・わめき・走り合う中で、彼は「色塗り」に夢中。
「黙々と」「黙々と」……。
で、自分が「職人だね(自分たちは、アーチストって言うより、アルチザンって言葉を使いますが、ここでは「職人」で)」。
別の子が言う。
「職人ってダメじゃん」。
自分が言う「むしろ職人は、凄いんだよ」と(説明は長くなるので、彼らが大人になった時の宿題で)。
で、終わりの時間が着た。
彼は、まだ完成してない?
ところが、紙を配った人は「もう出して」と言う?
締め切りを見ると7月末?
まだまだ余裕じゃん?
それに、テスト週間だよ?
「テスト終ってから、自宅で色鉛筆で色を塗ればいいね。締め切りには十分間に合うから」と言ってみた。
彼はこう言った「僕は、美術家庭科部ですが、色鉛筆持っていません(中3ですよ)」。
はっきり言って「ありえん」。
じゃ、今は「白地図」やらないの?
美術部で、色鉛筆はなくて、知的にも大きな問題はない、集中力はある男子生徒。
推測はついた「この子は、特別支援に、何かの都合?で、送られている」と。
「美術・家庭科部?なのに、自分の色鉛筆がない?(スマホ・タブレットはあるのに)」。
おじさんは、家に帰ってから、その子はあまり気にしてないけれど、色鉛筆を持たせてもらえない、美術部の中3の生徒の事を思うと、怒りと共に、声を出して泣いてしまいました……。
大丈夫。使いかけの色鉛筆。30ダースほど自分は持っている(廃棄のやつを拾ってきている)。
どっちみち、タダだし、使いかけ出し、捨てられたものだ。
ワンセット。君にあげる。
心の中で、約束をした。
涙が、止まらない。
不遇の子どものことを考えると……。