12月、もうすぐXmasですね…。うちは裕福な家庭ではなかったけれど、Xmasの朝だけは決まって金色の包でラッピングされたプレゼントが一つ、枕元に置いてありました。パンダのぬいぐるみとサンタさんのクッキー。そのクッキーが美味しくて、美味しくて、空に手を振って「サンタさんありがとう!!また来てね~!!」と叫んでいたことを思い出します。
父は日に日に、できないことがふえていった。だんだんとごはんを食べられる時間がなくなっていき、トイレに立つことでさえ難しくなってきた。
歯ブラシを口に当てただけで吐き気をもよおしたり、うまく薬を飲みこむ事ができなくなってきたように見える。
文字通り、日に日に。朝起きると、毎日一つづつできないことがふえている…。
父は私にこう呟いた。
『俺…限界…体がきつくて…きつくてたまらないんだ…もう限界だよ…治らないのなら…治らないのならさ…いっその事…』
父が言いたかった、その言葉の続き…。
うん…わかるよ…わかるよ、父ちゃん…。
許されるのなら…そうしてあげたい…。そうしてあげたいよ…。
父を見ているのがとても辛い…。
治らないのに、治療もできないのに、なんのために生きているのか…、生かされているのか…。
父ちゃんの言うとおりだよ…。
どうしてこの国は安楽〇を認めてくれないのだろうか…。
ひきつった笑顔で私は父にこう答える。
「そんなこと言わないで…。父ちゃんがいなくなったら私悲しいよ。父ちゃんがいてくれないと…だから、頑張ろうよ、ね…?父ちゃん。」
頑張ろう。頑張ろう。って…
一体何をこれ以上頑張らせたらいいの…。
こんなぬいぐるみがキラキラの包でラッピングしてありました…父と母で選んでくれたんだね…。