鬼滅の刃 考察



先日「鬼滅の刃 無限列車編」を鑑賞しました

それはもうね…感動でしたよ…

語彙力が無いので此処がこの様に良いとか頭の良さそうなことは言えないのですが
アニメを見ていた程度のドにわかが鑑賞後大急ぎで漫画20巻2日で読み切る程には感銘を受け、煉獄さん推しになるほど(笑)

そのくらい無限列車編は胸に刺さるものがありました

興行収入も現在250億超え、日本映画史に残る記録的ヒットとなっています

そんな作品ですが、若干不可思議な点がありました
恐らく鑑賞された方の中にも疑問に思われた方は多くいらっしゃるでしょうし、SNS等でもこのことについて発言している方はいるはず(多分)






⚠ネタバレ注意




【何故、煉獄杏寿郎は幸せではない夢を見たのか】




無限列車編にて、

竈門炭治郎 我妻善逸 嘴平伊之助 煉獄杏寿郎の4名は
十二鬼月である下弦の壱の鬼 魘夢に血鬼術で催眠をかけられます

その催眠にかかると魘夢に「幸せな夢」を見せられ、ぐっすり寝ている間に精神を破壊
再起不能の無抵抗にさせ殺して食べるという緻密で確実な計画を練られていました

そんな最強に見える血鬼術、夢の中にいる自分が死ぬと現実に戻るという弱点があります

竈門炭治郎は催眠にかけられた際、夢であることにいち早く気付き夢の中にいる自分の首を斬り自死したため素早く現実に戻り魘夢との戦いに向かうことができました



そんな血鬼術ですが、煉獄杏寿郎の見た「幸せな夢」は幸せでないのでは?と鑑賞後の私はとても不思議に思いました
幸せな夢が幸せでないってどういうこと(笑)



4人が見た夢は

竈門炭治郎
家族と暮らす夢(鬼に家族が殺されなかった夢、鬼に妹がならなかった夢)

我妻善逸
禰豆子と遊ぶ夢

嘴平伊之助
竈門炭治郎、禰豆子、我妻善逸と探検隊をつくる夢

煉獄杏寿郎
父上が剣士である自分を否定した夢、弟の千寿郎を励まし稽古をつけてる夢


でした

やはり煉獄さんだけ完全なる幸せには見えないんです…
剣士であり柱だった父上を尊敬しているということはそれになった自分を否定されるのは決して幸せではないはず
それに4人の中で唯一、"夢"ではないんです
現実で起こっていることであり"過去"を見てるんです



にも関わらずこれが「幸せな夢」だった理由

考えられるのは2つ

①現実の世界こそが幸せだと考えている

②あのシーンは煉獄さんが見た夢の中の一部で劇中には出ていないものの彼にとって幸せだと思う出来事がその後夢に登場している

考えた結果、正解は恐らく②です


漫画零巻にて煉獄杏寿郎は他の剣士に対し、
「自分ではない誰かの為に最期まで戦う君たちのような立派な人に"なりたい"」
言っています

このなりたい人物像になることが煉獄杏寿郎の夢なのではないでしょうか
例えその夢を否定されようと
叶えることはできない、お前の力では無理だと言われようと
信念を貫きなりたい人物になることこそが幸せな夢

なので煉獄さんは、父上が鬼殺する自分を否定した現実も含めた上での幸せな夢を見ていました


恐らくですが
夢の中でも煉獄杏寿郎は鬼から人を守ろうとし最期まで戦っています

何故ならそれが夢だから

だから現実に戻れた
(現実に戻る条件は、夢の中の自分が死ぬことなので)







催眠からとけた順だと
①竈門炭治郎(前述の通り)
炭治郎が禰豆子に精神破壊をする人物を阻止するために縄を焼くこと、3人を起こすことを頼む
②嘴平伊之助(起きたきっかけ、方法共に不明)
③煉獄杏寿郎(同じく不明)
④我妻善逸(血鬼術を操る張本人の魘夢が死ぬまで催眠は溶けきれていなかったが戦いに参加)

なので、伊之助と煉獄さんは炭治郎に頼まれた禰豆子の手によって起こされている可能性もあります





この幸せな夢に関する推測から考えられる煉獄杏寿郎の凄さは

夢を現実にできていることです

夢をもつことというのは人の生きる原動力であるものの、実際に叶えられるかと言われたらそうではありません

人生を経験している者ほど、夢を叶えることの過酷さは分かるはず

簡単にできることではない

血反吐を吐く思いをして
日々夢に向かって、なりたい者に向かって
鍛錬していたとしても
叶えられるとは限らない

しかし煉獄杏寿郎は叶えました

乗客200人を一人として死なせず、
「最期まで他の者のために戦う人になる」
という夢を叶えました

幸せな夢を

幸せな現実に変えれた煉獄さんは凄いです

そういう意味では前述の選択肢
>①現実の世界こそが幸せだと考えている
もその後当てはまることになりますね



しかし、夢が例え叶えられなかったとしても良いということを無限列車後、実力不足により剣士を諦めた弟の千寿郎くんを通して作者さんが伝えています

夢が人間にもたらす効果は、今後を生きる原動力になることです
人生を面白くさせるスパイスです
叶えられても叶えられなくても良いんですよね

大事なのは、夢をもつこと、夢をもった上で何ができたか、何を思ったか、です






煉獄さんは夢を叶えれましたが
それとは対象的に
炭治郎が見た幸せな夢は絶対に叶えられないものでした
死んだ家族が生き返ることはありません

何度でも言いますが、
夢とは生きる原動力です

夢とは本来、未来に希望を与えるもの
大きかろうが小さかろうが、こんな出来事(未来)が自分の人生であるといいなという願いです

「明日はハンバーグを食べたいな」だろうが
「30年後には偉人になりたいな」だろうが
突き詰めれば未来への希望です


しかし炭治郎の幸せな夢は今後絶対におきません
未来への希望をもつためにあるはずの夢が、過去を引きずってしまうものになってしまっています

自分にとっての幸せは起こり得ない
これ以上に今後生きることに絶望的になるものないです

タイムスリップするか死ぬかですよ…

自分の幸せがない世界なんて私ならとっくのとうに捨てますし。
なのに一生懸命に今を生き抜こうとしている炭治郎もまた、凄い人物です
煉獄さんとは強さや凄さの意味が違いますが、逞しく立派だなと思います

見習いたい!!!(結局これに尽きる)