彼女の行動に、いつも僕はドキドキさせられる。
いつも、遠くを見つめているかと思えば、
コチラを見ていたり
無表情の瞳のくせに、彼女に見つめられると僕は途端に動けなくなってしまう。
強気な視線で見つめられると、
僕は、ありもしない疑惑を持たれているような感覚に落ちてしまい
どこを見ていいのかわからなくなる。
だけども、いつも
彼女の事を眼で追ってしまう。
この感情が何なのか、今の僕にはまだわからない。
「今日は、みんなでお前の家に泊まりに行く!」
突然言われた、クラスメイトの申し出に戸惑いながらも
勢いに勝てる事の出来なかった僕は、あわてて、ジュースやらお菓子やらを用意する始末。
すっかり足の踏み場もなくなって
各々が、好き勝手にゲームやら、最近の話題で盛り上がっている。
僕は、律義にみんなが食べたものの片づけをしながら
彼女の姿がないことに気づく。
「どこ行ったんだろう…。」
確か、1人でいつの間にかシャワーを浴びに行っていたと聞いた。
だけども、シャワー室に彼女の姿はない。
僕は、彼女を探して、自分の部屋を覗いてみた。
「…えっ、…。」
そこには、僕のお気に入りの抱き枕を抱いて眠る彼女の姿があった。
「おい、それ、僕の抱き枕…。」
そういって、彼女を起こそうと思ったが、
彼女の上半身は、なにもつけていないので、
僕は、どうすることもできなかった。
ドキドキ…と、自分の心臓の音がうるさい。
「そんなとこで、何してるんだよ。」
上ずりながらも、声を出して彼女を起こそうとしてみる。
「…、もう、寝る…。」
彼女は、目も開けずにそうつぶやく。
僕は、その場でどうしていいのかますますわからなくなる。
ドキドキ…ドキドキ…
時計の針の音と重なるように、僕の心臓の音は強くなる。
自分の心臓の音がうるさくて
僕は、その場から出ようとした。
「……する…。」
突然、彼女がつぶやいた。
聞き取れずに、振り返ると、彼女は先ほどと同じように目も開けず
「…イイ匂いがする…。」
そうつぶやくた彼女は、そのまま規則正しく寝息を立てていた。
僕はあわてて自分の部屋から出た。
まだドキドキとうるさい。
確実にさっきまでより、早くなった心臓の音を振り払うように
はぁーっと、大きくため息をついた。
彼女の存在は、いつも不思議で、彼女に抱くこの感情をいまだに理解できないでいる。


