結婚式前夜。



「お父さん、お母さん、


今までありがとうございました。」




私は照れくさかったけど


心をこめてお礼を言った。



なに不自由なく今まで愛情いっぱい育ててきてくれたお父さん、お母さん。



二人は大号泣していた。



お父さんが大粒の涙を流すのを見たのはこの日がはじめてだった。



お母さんが私を抱きしめた。



「こんなに大きくなったけど


みなはずっとお母さんの子どもだから


今まで通り、甘えていいんだよ」







私はお母さんと一緒に布団に入った。



お母さんと一緒に寝るのなんて


何年ぶりだろう。


お父さんは隣の布団で嬉しそうにお母さんと私を見つめていた。






お母さんは私のお腹を撫でていた。




孫に会えるのが


楽しみで楽しみで仕方ないんだって。




お母さんといっぱい話して、笑って


お母さんの温もりの中、



ぐっすり眠れた。






2002年12月22日


私たちは夫婦になった。



これからどんなことがあっても二人で乗り越えて行こうって誓った。



お互いの好きなところ、嫌いなところも受け入れてずっと一緒にいようって誓った。



大好きな人とずっと一緒にいられる。



私は最高に嬉しかった。





婚姻届を書くときもウキウキしていたし、



婚姻届を提出するときもニヤニヤしていた。



彼の腕の中で眠れる安心感に幸せいっぱいだった。








赤ちゃんは人の形になってきて



頭、体、手、足が確認できた。



まだまだ不安定な時期なので気をつけてくださいね~



と病院の先生に言われた。



私は3月いっぱいで仕事をやめることにした。



子育てに専念したい



その気持ちはみんなが理解してくれた。





結婚式をすぐにあげることにした。




準備に一ヶ月半しかない。




私は大忙しになった。




仕事も頑張りたい。



式の準備もしっかりやりたい。



休みの日は病院と式場に行き…



つわりで体調も悪く…




体が2つほしい~!



と彼に泣きついたこともあった。



でも彼のため、


お腹の赤ちゃんのためと思ったら



不思議な力が湧いてきた。









いつもと違う緊張感の中…



彼は正座して固まっていた。



「お父さん、みなと結婚したいと思っています。

みなを俺にください。

お願いします!」



彼は深々と頭を下げた。


(なんかドラマみたい。)


と思いながら私も頭を下げた。



しばらくの沈黙…



「みなを幸せにしてやってくれ」



とお父さんが言った。



お父さんの複雑な表情…。



「絶対幸せにします。

ありがとうございます。

ありがとうございます。」



彼は何度も言っていた。



そのあと、おじいちゃんもおばあちゃんも弟たちにも話して


赤ちゃんがいることも話したら



おじいちゃんは「よかったなぁ~!」



ってすごく嬉しそうだった。



おばあちゃんも「ひ孫の顔をみるまでは死ねないって思って思ってたけどこれでいつでも死ねる」

なんて冗談言ってた。


弟も「おめでとう」って言ってくれた。



お父さんはお酒をたくさん飲んで



「俺たちと同じだな」



ってお母さんに言った。



そう、


私はお母さんと同じ年で結婚して、



同じ年に出産することになる。



私、21才

彼は20才。







次の日、


今度は彼のお父さんとお母さんに話すため、

彼の家に行った。



彼は慎重に言葉を選びながら


お父さんとお母さんに話しはじめた。


最初はビックリしてお父さんもいろんなこと、考えていた。


突然すぎて喜べないのかもと思った。



何時間も話した。



彼のお母さんが言った。


「お父さんはみなちゃんがお嫁にきてくれればいいって

二人が別れたときに毎日神頼みしてたんだよ」



その言葉を聞いてはっとしたのか、


お父さんは


「みなちゃんの家族のこと、仕事のこと、結婚式のこと、お腹の子どものこと、考えすぎてパニックになったけど

でもこんなに嬉しいことはないんだな。

みなちゃんと病院ではじめて会ったときから思ってたんだ。


みなちゃんが嫁にきてくれればいいって」



私は嬉しくて涙がたくさんでてきた。



みんなに認めてもらえて私はやっと


ほっとした。