けっこうまじめな男の子
Iくん。
授業中に無駄口などしたことは一度もなく、
いつも姿勢がよく
足も速い。
勉強もできる。
品行方正。
野球が大好きな男の子です。
その子が
さっきから目を気にしているな。
と思ってはいたのですが、
けっこうこすっていたので
やめな。
触らない方がいいよ。
と伝えましたが
気になるみたいだったので
ほこりかな?と思って
一度顔を洗ってくるように勧め、
教室に戻ってきたとき
まださえない顔をしていたので
「ちょっと見せてごらん。」
と目をのぞき込み、
こすりすぎて
赤くなっている以外
私から見て
特に問題がなさそうだったので
「先生の顔、かわいく見えてる?」
と聞くと
「かわいく見えません。」
とのこと。
これは重症だ!!
保健室に行くように伝えました。
(もちろんどんな返事でも保健室に行かせるつもりでしたよ!)
保健室で
涙と同じ成分の目薬で
目を洗ってもらったら少し良くなったみたい。
目を気にする素振りはなくなりました。
笑顔も見られました。
そこでもう一度聞きました。(しつこい!)
「先生、かわいく見えてる?」
「ふつう!」
つらい。
何がつらいって。
その子が冗談言っているの
見たことないんですよね。
つまり、
本気の「ふつう。」
現実を目の当たりにした瞬間。
教員なんてさ
顔じゃないから
いいんだけどさ。
普通で
十分すぎるくらいなんだけどさ。
忖度って言葉知ってる?
知らないか。
いや、
忖度と言う言葉を知らなくても
たぶん彼にとっては
「ふつう」
が精一杯の忖度だったのだと思います。
よく考えたら
目が痛くて
そのことで頭がいっぱいなのに
「先生、かわいいでしょ」
的なこと言われたら
嫌ですよね。
よく考えなくても
嫌だ。
私ってイタい先生かも。
気をつけよっと。