『ウインド・リバー』2018年(米)
監督:テイラー・シエリダン
サスペンス映画のジャンルのひとつに「白い映画」というのがある。と個人的に思っている。その白い映画にも2種あって「サイコ・密室モノ」と「雪モノ」に大別される。個人的にそうフォルダ分けしている。
今回の『ウインド・リバー』は雪モノだ。以前記事にした『ファーゴ』とかも雪モノだし、最近までどハマりして観てた『ゲーム・オブ・スローンズ』も北部ターンは雪で真っ白けなので、雪モノのカテゴリに入れてもいいかもしれない。
日本の映画だと『渇き。』『三度目の殺人』あたりも雪モノかな。こうしてみると名作映画はアイテムとしての雪の使い方が上手いとも言えそう。
今作は実話が元になっているため雪はアイテムというよりあくまで現実描写のひとつではあるが、その冷たさと美しさが見る者に与える印象は強い。
そう雪は、美しい。
うす汚れた景色も死体も、その白い縁取りで美しく装飾してしまう。
今作の被害者はウインド・リバーに住むネイティブ・アメリカンの若い女性である。彼女の不可解な死を辿っていくと見えてくる、雪によって閉ざされた世界の閉塞感。
怖いというより息苦しい。
米国におけるネイティブ・アメリカンの置かれている現状は、日本におけるアイヌ民族のそれとも通ずるものがあり考えさせられる。少数民族の風習はどんどん継承する者が減っており、混血も進んでいる。
ひとつの事件が引き金となって露呈するそれらの問題も含めて、サスペンスでありながらも社会的な人間ドラマになっている。
良作。
★4です
★★★★☆