窓を開けて、ネイルを拭うためのリムーバーを使う
油性マジックのような匂いが鼻につく。
この匂いが嫌いでマニキュアを塗るときも拭うときも窓を開ける
マンションの7階からネオンが見える
カーテンを揺らして冷たい風が入ってくる
今日の一日を思いださせるような現実的な冷たい風

仕事が終わってから少し高いフレンチで食べた甘いのが少ない洋酒の効いたショコラケーキ
深紅のワイン
酔いも適度に回った頃には見慣れない天井を見上げていた
キスの味はあの深紅のワインの味
アルコールでホワホワする感覚が気持ち良くて明るい茶髪を見つめていた
華奢な体からは想像出来ないような強い力で掴まれると逃げることさえ叶わない
いつのまにか眠りについて起きるともういない
薄れ行く意識の中でだれかに電話するのを見つめていた
まだアルコールが抜けない体を引っ張って自分のマンションにつくと倒れるようにソファに横になった
気がついたらもう夜。
現実に引き戻された私はネイルを拭いながら欠勤の言い訳を考えていた