実名報道と忘れられる権利に関する問題は、日本だけでなく世界中で様々な意見が寄せられています。ここでは、海外での実名報道と忘れられる権利に関する事例を紹介します。
ヨーロッパの「忘れられる権利」とGoogleの検索結果削除 ヨーロッパの法律では、「忘れられる権利」という権利が認められています。これは、個人が過去の自分自身に関する情報を削除する権利を持つことを意味しています。
この権利は、Googleによる検索結果にも適用され、一定の条件が満たされる場合、個人情報の削除を求めることができます。ただし、この権利は、人権とのバランスを取りながら判断されるため、完全に削除されるわけではありません。
アメリカの「名誉毀損」訴訟 アメリカでは、個人のプライバシーや名誉を侵害する報道は「名誉毀損」として訴えられることがあります。
ただし、アメリカでは「公益性」という概念が重要視され、報道が公益的であると認められた場合、名誉毀損とは認められません。
このため、アメリカでは、報道の公益性と個人の権利とのバランスを考慮しながら、実名報道の是非が判断されます。
カナダの「プライバシーコミッション」による調査 カナダでは、個人情報保護とプライバシー保護が非常に重視されています。カナダ政府には、「プライバシーコミッション」という機関があり、個人情報保護法の監督を行っています。
この機関は、個人情報の不正利用やプライバシー侵害についての苦情を受け付け、調査・解決することができます。
カナダでは、個人情報保護に対する取り組みが非常に強いため、実名報道に対しても厳しい姿勢を示しています。
【名誉毀損とプライバシー侵害】
米国では、プライバシー侵害と名誉毀損に関する法律があり、これは「名誉毀損とプライバシーのためのタート法(Tort law for defamation and privacy)」と呼ばれています。
これは、個人の名誉やプライバシーが侵害された場合に、損害賠償を求めることができる法律です。具体的には、損害賠償を求めるためには、自分自身が被害者であることを証明する必要があります。
さらに、記事が真実であることを立証するために、記事の内容を検証するための裁判が行われることがあります。
【欧州連合における権利】
欧州連合では、個人の権利保護に関する条約があります。この条約には、プライバシー権の保護に関する条項が含まれています。具体的には、個人の情報や写真、ビデオ映像などが、事前に許可を得ずに公開されることは、違法であるとされています。
また、欧州連合加盟国のうち、ドイツやオランダなどの一部の国では、プライバシー権を重視するため、実名報道が制限されていることがあります。
【日本とアメリカの違い】
日本とアメリカでは、実名報道に対する法的な規制が異なります。日本では、個人情報保護法やプライバシー法などによって、個人情報の保護が規制されています。
しかし、実名報道そのものに対する法的規制はなく、報道機関が自主的に規制する形を取っています。一方、アメリカでは、言論の自由が憲法で保障されており、報道機関は自由に実名報道することができます。
ただし、名誉毀損やプライバシー侵害に対する法的な規制は存在し、被害者は損害賠償を求めることができます。