上司以上不倫未満

上司以上不倫未満

取引先の上司に恋をした。

会えるのは、1ヶ月にたったの1回。

1年で12回。

不倫未満でいい。

ただ。

あなたに会いたい。

3日ぶりにHさんに会ったよ。


最近、午前中は笑顔で話せない。


私「会いたかった?」


わざと聞く。


Hさん「いや、別に。」


無愛想。


Hさん「昨日休みだったんだ?」


(なんだよ、ちゃんとチェックしてんじゃん笑)


朝はこんな感じなのにさ。


午後からは甘いんだよな。



Hさん「俺、明日来ないから寂しくて泣くなよ?」


私「泣かないし。私、木・金休みだから、泣くなよ?」


Hさん「俺、土・日休みだから、来週まで会えないんだ。泣くなよ?」


私「それは泣く。それは嫌。えっ?待って。私4・5休みだから金・土じゃない?木曜日会えるじゃん!怒」


Hさん「そっちが間違ったのに、何で怒るの?俺悪くないよ。」


私「ごめん。来週まで会えないとか絶望しかなかったから。」


Hさん「別に俺いなくても楽しそうじゃん。」


私「いや、いないと困る。頑張れない。会えないと頑張れない。」


Hさん「あのさ、それを愛の告白って言うんだよ。俺の事振っておいて、それ、ズルくない?笑」


私「そうだ、コレ、あげる。吸っちゃったけど、もういらないから。」


LUCKY STRIKE。


この間罪悪感を感じながら吸った煙草の残り。


Hさん「何で俺の煙草吸ってんの?メンソール吸ってたんでしょ?自分の煙草吸えよ。」


私「最近、ぷはーしてくれてないから、煙の匂い思い出したかった。休みの日、Hさんの事考えちゃって、吸いたくなっちゃった。でも、もういらないから。もらって欲しい。」


煙草渡す瞬間、手が触れた。


私の手が冷たすぎるからか、Hさんの手はすごく温かくて。


Hさんの手の中に煙草を置いた形で、そのまま手を繋いでしまった。


私「手、あったかいね。」


Hさん「そっちが冷たすぎるんだよ。」


もう片方の手も使って両手で温ためてくれた。


あったかい。


ドキドキする。


私「これはズルい。」


手を離した。


Hさん「ズルいのはどっちだよ。笑」



気持ちは隠さなきゃいけないんだ。


幸せだけを受け取って。


感情は殺さなきゃいけないんだ。


なかなか大変だな…