上司以上不倫未満

上司以上不倫未満

取引先の上司に恋をした。

会えるのは、1ヶ月にたったの1回。

1年で12回。

不倫未満でいい。

ただ。

あなたに会いたい。


仕事終わり。

オーロラ色。

等間隔に並ぶ海上風車と。

海を隔てる防風林。

下弦の月がとても綺麗で。





(消しゴムマジックを使いました。駐車場部分にいっぱいいたトラック達を消したら、架空のの車が現れました。笑)



仕事終わり。

あなたが来る事が多くなった。

会える時間は少しなのに。

律儀というかマメというか。


「今日、車で出勤してない。」と言うと。

「帰り、家まで送るよ。」って返ってくるから。

お言葉に甘えて、車を置いてくるという技を習得した。

大丈夫と強がるのはもう辞めた。

甘えたい。



門の外。

ハザードランプ。

あなたの車。

「おつかれ。」と微笑むあなたに。

どっぷり癒されたい。



夜の帳。

さっきよりも波の音が大きく聞こえる砂浜で。


「来月になったら、この時間は来れなくなるかも。」


回る風車。

波の音。

下弦の月。

優しいキス。



埋もれている想いとか。

煮え切らない感情とか。

ふらつく気持ちとか。


完全じゃないから。

不安定だから。

友達なんかじゃないから。


会って、確かめて、キスをして。

その先だって。

あなたには赦した。


生活の一部に必要な物を一緒に買い物するわけでもないし。

大切にしてるものすべてを共有したいわけでもない。

ガラクタばかり集めてしまう行き場のないストレスを。

馬鹿だなって。

大丈夫だよって。

俺がいるべやって。


そう。

俺がいるべやって。



スンスンが何かを知らないあなたに。

スンスンを教えるつもりはない。

あなたの世界観ではきっとない。


いつだったか、リュージがさ。

「そっちは、うまくいってるの?」って聞いてきたから。

心配させたくなくて、私の事なんて放っといて欲しくて、自分の恋に集中して欲しくて。

聞かれてもいないのに、「Hさんと寝た。」って答えた。

「寝てみてどうだった?」なんて、話が続いたから。

「嬉しかったよ。でも苦しくなった。好きになりすぎて。」と、

本当の事を言った。



今日発売のセブン限定マスコット。

朝、近くのセブンに行ったら売り切れだった。

「あっぶね。俺のとこのセブンもラスイチだったわ。明日あげるねー。」と送られてきた写真。







まるでトゥーホックの世界から抜け出してきたような、そんな君。

放っといて欲しいのに。

こうしてまた、私はガラクタを集めてしまう。

リュージの不器用な、でも純白な優しさに。

しばらく泣いてしまった。




「俺がいるべや。」_

あなたの言葉が木霊する。