最近、三浦綾子さんの本をよく読んでいます。


三浦綾子さんと言っても代表作の「氷点」は1966年の作品なので

(半世紀近く前w)、知らない人も多いと思います。



氷点 (上) (角川文庫 (5025))/三浦 綾子

¥500
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キリスト教を軸とした小説を多く書かれています。


「氷点」「塩狩峠」などの代表作も、とてもおもしろいですが

もっとおもしろいのは彼女の自叙伝とも言える

「道ありき」とか、「この土の器をも」。


三浦綾子さんって長い間(13年くらい)結核をわずらっていて、

その長い闘病生活の間に恋愛して、(何人もの男性と!)

やっと病気が完治して、結婚、旦那さんと北海道で細々と雑貨やさんなどを

するかたわら


寝る間も惜しんで書いた小説が大成して

一流作家になり、しかし晩年はまた病魔に苦しめられる…


と、それだけで小説のような壮絶な人生を送っているんです。


私が彼女の自叙伝を読んで深く感動したのは

その彼女の人間性、精神の強さ。


寒い北海道で、毎日の仕事、

雑貨屋さんで10円20円の計算をしたり

家の家事をして、そのかたわら


必死に書いた小説「氷点」が朝日新聞の懸賞に当選して

なんと一千万!の賞金が手に入ります。(当事の一千万は今の一億くらい)


でも綾子さんも、旦那の三浦さんも無欲で、旦那さんは

「僕はネクタイ一本もいらない。そのお金で両親に恩返ししなさい」と

言ったそうです。


それで綾子さんが「それでもせめてテレビ一台くらいは買いたい」

と言ったそうです。でも、旦那さんはそれを認めなかった。

(虐待ではないw単に旦那さんが素晴らしい人格者で、無欲なだけ)


そして、その答えに綾子さんも一言も抗議しないで、

黙って従ったそうです。。。


自分が、毎日毎日、休む時間を削って、生活が苦しいのを我慢して

コツコツ書き上げた長編小説が大成して、大金が入ってきても

自分のためにテレビ1台も買わなかったんですよ!


これって本当にすごいこと。まさに自己犠牲心とはこのことだと思います。

しかもこのエピソードを綾子さん自身が話したわけではなくて

綾子さんの死後、旦那さんの本で語られてるわけです。


それから、綾子さんが晩年、病気がひどくなってきて


医者に「左目は恐らく失明する。右目も失明するかもしれない。

それから癌も発症するかもしれない。

そしてかなりの痛み(目を後ろからくり抜かれるような)

は一生ついてまわるかもしれない」と

宣告されたそうです。


普通なら正気を失って、自殺してもおかしくないような宣告。

しかし、綾子さんはこれを聞いても微動だにしなかったそうです。

(旦那さん談)


私はそれを聞いて、本当にこの人は

必然的であったにしろ、精神が鍛え抜かれてる人なんだなと思いました。

肉体って鍛えるのに限界はあるけど

精神を鍛えるのって限界がないのかもしれないと思いました。


人生において持っておいたら一番役に立つものって

何十億ものお金よりも、精神の強さだと思います。


明日から一文なしで、家もないよ?って言われても

それでも草を食べてでも生き抜いてやろう!と思う

根性、そしてバイタリティ。


今の私が持ってなくて、これから身に着けたいと思っているもの。


三浦綾子さんの持つ、根性とか生きる力とか、その人間性とか

本当に尊敬する。


わたしはひねくれ者で、人を100パーセント尊敬するなんて

本当に無に等しいけどw


彼女の行動一つ一つを

いつ想像してもすごいって思います!


小さいころから健康で、愛情にもお金にも物にも困らないって

恵まれている生活のようで、精神力はなかなか身につかないかもしれないですね。


私もいい加減「世間知らなさそう」とか「甘やかされてそう」とか言われるのも

ムカつくので、彼女を見習ってもっと強い女になりたいですw


「氷点」は私達の親の世代で知らない人はいないっていうくらい

超有名なので、必読書ってことでべーっだ!


お勧めです!