とある春の日


珍しく愛車ではなく(自力で漕ぐ黒いボディのイカしたヤツ) 颯爽と、しかし心はモヤモヤと、歩いてお出掛けをしていると

わたしの親指にてんとう虫がとまった


おお 小さい頃に捕まえてキャラメルの空き箱に入れたのは君のご先祖様かい?
…んなワケはない。


屈託だらけのわたしの手のひらに赤と黒の水玉



屈託のないひとなんかいない

てんとう虫にはなれない



あまりにも唐突すぎて
わたしは立ち止まったけれど
すぐに飛んでいってしまった

赤と黒の水玉