TYのブログ、AKB恋愛小説 -18ページ目

TYのブログ、AKB恋愛小説

こんにちはー!シカゴ住み、高1男子TYと申します。主にAKB恋愛小説を書いていこうと思っています(・∀・)まだまだ未熟な自分の作品ですが、読んでもらえたら嬉しいです(๑>◡<๑) よろしくお願いします!






「びっくりしたよ~。まさか山本君が隣に住んでたなんて!」


「こっちもビックリ。まさか隣人がま、前田さんだなんて。」


意外と弾んでいるこの会話。
人見知りとしてはかなりの出来だろう。


実は、前田さんの家はうちの隣、しかも、お互いの部屋は向かい合っていて手の届く距離にあったのだ。



「前はね、山本君の部屋には凄く仲のいい女の子が住んでたの。

それで、この場所で色んな話をして、相談もして、本当に助けられた。
憩いの場って感じなんだよね。

だから、、、、」



「どうかした?」




「ううん!なんでもない!」



綺麗な顔に何故かちょっと切ない表情を浮かべる前田さんは、とても美しく、何故か少し儚いものにも見えた。


「そーいえばさ、今私のこと前田さんって呼んだでしょ~?
なんか距離感じるから嫌なんだよね。

もうクラスメイトなんだからさ、あっちゃんって呼んでよ!」



ほのぼのとしている前田さんの笑顔はとても可愛くて、こっちはとても癒される。




なんだろう。
素でいるのに人を癒したり楽しませるチカラ。

オレも欲しかったな。


「ねぇ~?聞いてる~⁉︎」


「あっごめんごめん。ちょっとぼーっとしちゃって。

でもさ、初対面の女のコを下の名前で呼ぶってかなり恥ずかしいよ。笑」


「えーそーかなー?昴希とか恋は普通に呼んでたよ?」



あの二人の性格なら大丈夫だろう。



片や初対面でもわかるフレンドリーさを醸し出す男。

片やただのアホだ。



「まぁ確かに、恋はただのアホだし、昴希はめっちゃフレンドリーだからねー。

ていうか山本君、恋のアホネタ好きだね。笑」



まただ。



また心を読まれてる。




可愛い顔して、本当に怖い能力だ。




聞いてみようかな。

超能力について。



いや、流石に初対面でそれは難しい。

しかも、それは普通の人に過去のことを聞くのとはわけが違う。


そうこう考えているうちも、時間は止まることなく進む。



「あつこー?ご飯だから降りてきてー!」


「あっごめん!
私、ご飯食べなきゃだから下降りるね。

じゃあまた明日!」


「うん。じゃあね。」





前田さんがいなくなり、寂しくなった彼女の部屋を眺めながらふと考える。




超能力について聞くこと。


それは、前田さんの過去について聞くこととなんら変わらない。


そして、その辛い過去の経験や、前田さんの辛い思いを受け取り、痛みを共有しなきゃいけないのかもしれない。


そんな行動は、人見知りのオレでは愚か、普通の人間でも簡単にできることではないだろう。


そんな風に考えて、結局思っていることを胸に閉じ込めてしまう自分が、情けなくて、悲しかった。



オレ、やっぱ変わったな。


うつ伏せの状態から動くことのできない写真を見ながら、そう呟いた。