この夏 心が洗われるような一日がありました。
ご生前にお世話になった方の弔問に伺いました。対応いただいたのは代表取締役、役員、秘書のお三方。短い時間でしたが、故人を偲んで心の通うお話しができました。
帰途、澄み渡るような清々しさを覚えました。どうして?と不思議でした。
わたくしは、その不思議に思いを巡らすことになりました。
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わたくしが求め続けるテーマのひとつは組織・人材開発。人と組織の成長は、人びとのしあわせに直接関わると考えている。
どうすれば働く人の可能性を引き出す手助けができるのか。どうすれば働く人が成長する組織づくりができるのか。
そう思っていると、自然お会いするトップの方やその側近く働く人たちの人となり、異なる個性が集まる組織としての成長に目が向く。
先の会社は、予て注目していた会社。これまで経営者や社員のご来訪を受ける度に好印象を受けていた。
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金融庁、東京証券取引所は、後を絶たない企業の不祥事には、組織の統治機能不全があると見ており、社会から尊敬される企業づくりのためにスチュワードシップコード、ガバナンスコードを導入している。
これに呼応するビジネスラウンドテーブル、コンサルファーム、学者などの論客は、ステイクホルダー資本主義、パーパス経営、ESG、SDGs、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)経営・・・それぞれに提言や立論に真剣だ。
百家争鳴、これからの国のありかたや経営を考える時に重要な示唆を与えてくれる。経営者も、実践の経営論を展開する。
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ただ今回の弔問でしみじみと得心したのは、シンプルな真実だった。
「組織は、トップの人間力で決まる」
組織で働く人は常に経営者や上司を見ている。その影響力は絶大である。
駆け出しの頃から、尊敬するトップ、一緒に働けることが嬉しかった上司、同じ船で荒天に立ち向かう同僚たちと苦楽をともにした。人知れない責任者の心中、働く人の気持ちを見つめてきた。
そうやっていつか
「経営トップの思いと人間力は、自ずと部下の中に生きる」
と信じるようになった。
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最初の話に戻ろう。わたくしに心が洗われるような一日が訪れたのは、素晴らしい人材と組織を遺された方の最期の贈り物だったのかも知れない。
最近になって、そう受け止めることが「どうして?」というあの日からの自問の正しい解と思うようになった。
ほんとうに大きな感化力のある人だった。
今年の夏も暑かったが、心洗われる清しい一日を授けてくれたご縁に、ひたすら感謝し、ご冥福を祈る。
合 掌