この世に生まれて数十年経った訳だが、今までの人生の中で一番のターニングポイントと言えばやはり『病気』に罹った事だろう。


この『病気』は完治する事は無いらしく、今でも薬は飲み続けている。


高校入学当時、就きたい職業があった。部活での経験も活かせるしその職業に就く事しか考えてなかった。


ある日その職業の採用試験用のテキストを買って来た。先ずはこれで勉強して行こうと思い、その日から少しずつ手を付けて行った。


朝気付いたら病院のベッドの上だった。


「ここドコだ?昨夜は自分の部屋の布団で寝たはずなのに…」


そこが病院だと気付くのに数分かかった。


医者から病気の事を説明されてやっと合点がいった。


とは言え急にそんな事言われても実感なんか湧いてこない。最初に実感が湧いたのは、この病気に罹った事によって希望の職業には就けなくなってしまった事を知った時だった。


ましてや最初の内は発作が来る事もあって自宅を離れて一人暮らしも難しかった。


就きたい職業もダメ、進学もダメ、やる気を無くすには充分だった。


その分、部活に打ち込んだ。大会で大した成績を収める事は出来なかったが、それでも自分としては充実していたと思う。お陰で病気の事はある程度吹っ切れた。


そしてそのまま地元で就職をした。


今まで何度か仕事を変えて来ているが、一度だけこの『病気』が理由でクビになった事がある。勿論、面接の際に説明はしていた。


にも関わらず、就職して1年以上経ってから急にクビを言い渡された。しかも明日から来なくていいとの事。


さすがに落ち込んだのを覚えてる。


まぁ何を言っても一生付き合って行かなきゃならないからなぁw この先はこんな事がありませんように…。