前回はメガロドンの祖先を紹介しました。今回はホホジロザメの進化についてご紹介します。
まず初めにこちらをご覧下さい。
かなり前にホホジロザメとメガロドンの歯の違いや進化系統について稚拙ですが纏めた図になります。もし良かったから拡大してご覧になってください。またこの時Isurus escheriと表記したものは現在ではCarcharodon hibblesと学名が変わった様です。
ホホジロザメと言えば鋭い鋸歯のある歯を持つサメとして知られていますね。しかし昔から鋸歯があった訳では無いようです。
こちらは千葉県内で採取された標本です。
左から右にかけて年代が新しくなっています。
ある点に気が付きましたでしょうか?
600万年前(中新世)のものは鋸歯がありませんが、500万年前(鮮新世)のものは今のホホジロザメとほぼ一緒です。僕は化石の証拠からこの期間に現在のホホジロザメが誕生したものと考えています。
600万年前のサメの歯が産出した千畑層ではCarcharodon hastalisという大型のサメの歯が見つかるのですがその中に稀に鋸歯があるものが含まれていることがあります。
正直千畑層ではメガロドンよりも珍しいと思います。いつか採取したいものです。
千葉県立中央博物館には千畑層の素晴らしいサメの歯コレクションが展示されていますが、その中のhastalisの展示をよーく観察すると…
気が付きましたでしょうか?実は弱い鋸歯を持つ標本が一つだけ混ざっています。これがhastalisが現在のホホジロザメに進化した証拠でもある訳です。これと前回のメガロドンの進化の過程を合わせればメガロドンがホホジロザメの祖先では無いことは明白な訳です。
このCarcharodon hibblesという種類は世界的に見ても産出する産地が少なく珍しいです。
因みにこの鋸歯が弱いhastalisは千畑層では稀なのですが神奈川県の中新世の地層からはかなり多く産出しています。この種は
Carcharodon hibblesと呼ばれています。又はCarcharodon hubbeli 両種の違いはあんまり調べても不明でした。
hastalisは非常に切縁が滑らかですが、ホホジロザメ同様歯のサイズが7cmを超える物もあります。同定する際は鋸歯がないホホジロザメとして見ることが出来ればその他の特徴は一致している為非常に分かりやすいと思います。
こちらはChile産のホホジロザメなのですが鋸歯の形状からCarcharodon hibblesなのかな?と考えている標本です。やはり鋸歯が粗くまだ未完成なのかなと感じます。
そしてホホジロザメです。これに関しては非常に美しい鋸歯を持っていますね。鋸歯が出来た要因として鰭脚類等を捕食する為にはあった方が都合が良かったとかそんな感じでしょうか。現生の大型のアオザメもイルカ等を捕食することがある様なので"鋸歯が無いから海棲哺乳類は襲わない"と一概に説明することは出来ません。
次にメガロドンとホホジロザメの横から見た時の違いを図で紹介します。
上からホホジロザメ上顎歯 下顎歯
メガロドン上顎歯 下顎歯です。基本的に下顎歯は分厚く出来ています。ホホジロザメは舌側面側が一旦落ち込むのに対しメガロドンは曲線を描く様に舌側面側がカーブしていることが分かります。
メガロドンとホホジロザメを比較するとこんな感じです。
以上ホホジロザメの誕生でした。








