Poe

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you say goodbye and I say hello

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夏空に寂しさを感じるのは私だけでしょうか。


寂しさという言葉はふさわしくないかもしれません。

切なさや、愛しさや、息が詰まるような懐かしさ。

子供の頃は、そんなこと感じなかったのに。



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雲一つない青空には、なんだか吸い込まれてしまいそうになります。

あまりに澄んだ青色で、何故か不安になったりもします。
一枚の青い画用紙が貼り付けられたような、そんな感覚を覚えます。


Poe


雲が流れる空を見ると、小学生の頃のキラキラとした夏休みの思い出が蘇ります。

でも流れゆく雲を見ていると、思い出まで流れていってしまいそうで

息苦しいほどの寂しさを感じます。


「夏」というのは特別な季節で

誰にでも忘れられない夏の思い出が1つや2つあると思います。

しかし、空を漂う雲のように、

思い出はゆらゆら揺れて、だんだんと消えていきます。


もうあの頃には戻れない、そう思うと胸が締め付けられます。



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夕方には空はあかく染まり、

子供が家へと帰り始めます。


私もなんだか、茜空を見ると

家に帰りたくなるのです。





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気がついたら、

鉄塔や、電信柱や、防火水槽や消火栓の標識が好きになっていました。


カメラを持って気づいたことです。


フィンダーを覗くと、今までとは違う世界が見え、

全てのものが一つの「作品」となります。


私は何かを作ったり、造ったり、創ったりする人が大好きです。

小さい頃から私の周りの友達は皆絵が上手で、

「犬をかいて」と言えば立派な犬を描いてくれました。

そんな犬の絵を見て、私は言葉では形容できないような、

キラキラわくわくした素敵な何かを感じていました。


ある人と話をしていた時です。

「夏休みに入るのに、私のスケジュール帳は真っ白だよ。」

と、私は言いました。

その人は、


真っ白

絵でも描こうよ

色塗ろう


と言いました。


真っ白で予定がないスケジュール帳に、絵を描いてしまおうと言うのです。

何気ない一言でしたが、なんだか心に残りました。


私は不器用なので、美術の成績は万年3。

もちろん絵の才能は0。

ですが、写真なら撮れます。

シャッターを押すだけで、私は一枚の「絵」を「切り取る」ことができるのです。


そして、ファインダーからみた世界で私の目にとまったのは

電柱や鉄塔でした。


花や木や鳥も好きですが、私は何故か、人が作ったもののはずなのに

景色に溶け込んでいるそれらのものにとても惹かれました。


カメラを買ってまもなく、朝五時に地元で散歩をしていた時です。

明け方の、紫がかった空を背景に、鉄塔が「静かに」立っていました。



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その姿をとても美しいと思いました。

そして、なんだか寂しく感じました。

鉄塔はあれだけ大きなものなのに、人の視界に入っても

意識されるものではありません。

本当に鉄塔は、静かに、そこに立っているだけです。


きっとこの鉄塔がたてられた当初は、その周りに住む人にとっては

とても異質なもので、気になって仕方なかったでしょう。

ですが時が経つにつれ、鉄塔は景色に溶け込み、

ずっと息を止めているような静けさでそこに存在しています。


そして今では、意識しなければ気づきさえしないものになってしまいました。


何故鉄塔に、孤独や寂しさ、そして美しさを感じるのかは私もよく分かりません。

ですが、これから鉄塔のような、人工物でありながら自然に溶け込んでいるものを

見つめ続けたら、理由がわかるようになるかもしれません。