職業Vol.1「いじめっ娘マン」
~いじめてやろうか。~
いつの世もいじめはあります。なくならない。深刻な問題であります。
いじめられっこだった私は「絶対人をいじめる人間にはなりたくない」と心に誓っているのでございます。
そんな私、「いじめっ娘倶楽部」なる新ビジネスを立ち上げたことがあるのです。
自分の事ながらこういう意味不明な行動に、いつもあきれるばかりです・・。
「いじめっ娘倶楽部」・・・何の事やらさっぱり分かりません。
BUT!
これ、分かる人にはちゃんと分かる、ある所ではメジャーな言葉なのでございます。
一体どんな仕事なのでしょう。
カンタンにいいますと、「女の子に言葉攻めや殴られたりしたい男性に、最適なドSの女の子を紹介して楽しんでもらう」仕事なのでございます。
ここまで話して既に身を乗り出している男性もおられると存じます。
確かにある種のお店にいけば、こんなことをしてくれるプロの女性もいるでしょう。でもリアル感がないですよね?
そんなあなたに、私が「いじめられ甲斐のある素人のコ」をご紹介いたします。
ちなみにこれは風俗ではございません。
「殴られ屋」なる路上珍ビジネスがございますが、その逆バージョンのようなものでありましょうか。いわば「殴り屋」。
・・・いやいや、このネーミングでは、怖いお方の仕事になってしまいます。やめましょう。やっぱり「いじめっ娘倶楽部」で行きますね。
この仕事をやってくれる女の子を捜すにはやっぱりネットです。
掲示板です。この掲示板の選び方で応募数がガラリと変わります。
私は「モデル掲示板」をよく利用いたしました。
モデルをしたい女の子の為の掲示板ですが、中をのぞくと実際の求人は「エロ撮影会モデル」ばかりでございます。
このようなところに・・・
「いじめモニター募集。カンタンラクチンなお仕事です。男の子を言葉やでいじめたり殴ったりケリを入れたりするだけでお金もらえちゃいます。いじめっ娘倶楽部」
と掲載すると、十代から主婦まで数十人の応募が当たり前でした。
・・モデル志望の女の子はみんなストレス溜まっているのでしょうか?
次は男性の募集です。男性の場合は、「SM出会いの掲示板」が有力です。当然のことながらM男くんですからね、「いじめっ娘倶楽部」に反応するのは。
そこに「素人の女の子で男性をいじめたいコいっぱいいます」と掲載します。
はじめは半信半疑で問合せしてきますが真摯に回答すると、「是非紹介を!」となるのです。
「いじめ」の場所は大体、カラオケボックスとなります。うるさいですし、防音で、中の様子はチェックされないことが多いので重宝します。
事前に私が男性と待ち合わせ、料金(三十分六千円くらいです)をいただき、カラオケボックスで待っている女の子モニターのところに連れて行くのです。
あとは終わるのを、隣のボックスで熱唱しながら待つだけです。
女の子には三〇分で四千円のギャラです。時給にすると八千円で、その上ストレス解消になるので一石二鳥だよ! と好評でした。
たまにボックスから出てきた男性の顔があざだらけということもありますが、なぜかその顔は幸せそうなのでありました・・。
「問合せアリガトウございます。どんないじめっコがよろしいですか? え? 七十代のおばぁちゃん・・・がご希望ですか??」。
目次→天職旅行社
(プロ作家・成田青央:http://akki.narita-ao.com/ )