真夜中のギター   (1) | 10go9

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早稲田大学 対 東京××学院

可笑しな対比。

何かが、ないがしろにされて、

何かが、ちぐはぐで、何かが怖かったあの時代。



早大と言えば屈指の名門。

その最高学府で、学生が暴れてた。

バリケードを築き、石を投げつける。(笑)

危ないから歩道の敷石が剥がされて撤去され、沿道に機動隊車両が集結してた。

あの可笑しな時代。(笑)



そして、何が怖かったのだろう。

東京××学院、その風変わりな学院、その寄宿室でも、変な若者たちがたむろしていた。(笑)

あの赤茶けた畳の上で、時を持て余していたあの青春の時間帯。

呟きが溢れて、吐息が漏れた。

そして誰が持ち込んできたのか、少し古びたギターが転がっていて、それが弾けた。

それがまだ勤労少年だったり、また学生服、ジーパンだったり、また銭湯帰りの濡れた長髪だったりして・・・。

何か、あの青春の時間帯、それが、蒸れて、すえて、口籠もって、ハモってた。(笑)



「美味しかった!」

外で食事をすましてきたようだった。早大学生食堂は、すぐ目と鼻の先。

「何時まで開いてるの?」

するとフクロウさんが、

「七時だよ!」

「今から行ってこようかな」

すると寮長のトラック野郎さんが、

「駄目だぞ! もうすぐ自主学習の時間だからな!」

と、僕に詰め寄ってきた。



その自主学習の時間も終わって、畳50畳敷の寄宿室は消灯。

何かそれは管理された修学旅行、夜の宿にも似て、マクラ投げでもしたい気分。

乱雑に敷き詰められた布団の上に、それぞれのグループが出来て、円陣が出来た。

それが、蒸れて、すえて、口籠もって、ハモってる。(笑)

円陣、そのいい場所を分捕っている僕の背中、その上にフクロウさんが乗っかって、

親亀の上に子亀を乗せて、子亀の上に、孫亀乗せて、重くて振り落とそうとするが、

話は、今まさに佳境。



自主的に、規定量をはるかにオーバーして、睡眠薬を飲んだらしい。

これで、もう、おさらば、お終い!!

逝けると思ったらしい。

ところが兄嫁がトントンと階段を上がってきて、・・・後は大騒ぎになって、結局、頓挫したらしい。

頓馬な告白、自殺未遂事件。

そういう話は経験者もいて、結構浸透してて、

「あの時、兄嫁にものすごく腹が立った!」

もう聞き慣れているから、言う本人そっちのけで、皆、ゲラゲラ笑った。



「喧しいな! 何時だと思っているンだ! 寝られないじゃないか!!」

青春騒乱、東京××学院の夜は騒動しい。



屈指の名門、早大では学生が暴れるし、

風変わりな学院、東京××学院では自殺話が飛び交っている。



背中の上では、子亀、孫亀、

そして押し付けてきて、股間の動きをまるで手に取るように、フクロウさんが笑い転げているし、

ほんまに、蒸れて、すえて、発酵して、

あの青春、あの時代は、本当に変な時代だった。(笑)