伸びるぞ伸びるぞ!どんどん伸びるぞ!


緑の蔦がにょきにょき。パイプを掴んで離さない。
同じ花壇の朝顔も押し退けて、ぐんぐんぐんぐん伸びていく。


二階の窓から見えるジャスミン。可憐な花は芳しい香りを漂わせ、虫たちを誘惑する。


頼むからいい加減に止まってくれ。
ほらもう、二階の部屋の窓から見えちゃってる白い花。


水もろくにもらっていないというのに、どうしてこんなに元気なの。
雨と花壇にポイ捨てされた、カブトムシ入れてた虫籠の土がなせる技?
訳がわからないよ。


そんなことを言っているそばから、ほらほら伸びていく。
まるでこちらの全てを侵略せんとばかりに、蔦が葉が花が伸びていく。


子どもの背丈ぐらいしかなかったのに、どうしてここまで立派に育ってしまったのか。
愛情不足のせいなのか。「私を見て!!」と伝えているのだろうか。
だとしたら、自己主張が激しい。とても激しい。


まだまだ伸びるぞ、ぐんぐん伸びるぞ!


ジャスミンの侵略は始まったばかり。
伸びて伸びて伸びて、天まで伸びて、その先は?


たぶんきっと、どこぞの豆の木みたいな結末なのだろう。


可憐な侵略者。貪欲に空を見上げる白き侵略者。
どこまでいけるか、どこまでその蔦で巻き付けるか高みの見物だ。


枯れた後の後始末、絶対大変だけど。