11月頃に志望校をどうするか話したところ、自宅から30分以上離れた高校に行きたい、と言っていた。なぜそこに行きたいのか尋ねてみたところ、「朝から学校に行くのが辛い。そこは単位制だから午後から授業を組み立てられるのが良い」という事だった。自分自身で考えて志望校を選べた事にとても価値があると感じた。


2月から国・数・英の学校から配布されたワークを行い、12月までの10ヶ月で3年分を終わらせる事ができた。それからは過去問を重点的に行うが、購入してもらった5年分の過去問は直ぐに終わらせてしまったため、去年のv模擬の過去問を購入してもらった。だが、それも直ぐに終わらせてしまったため、最後数回は何の教材を使うか戸惑い、苦し紛れに姉が使っていた教材で勉強した。こちらとしては嬉しい悩みだった。


結局、2月の入試も問題なく受かった。A君家庭との関わりはここで終わったが、3月には理社の勉強をすると言うので、YouTubeとワークを使った勉強方法を伝授した。私だったら入試が終わった後は遊ぶことしか考えなかったが、彼は勉強を続けた。最後にA君のお父さんから「私たちだけではどうして良いか分からなかったので、来てくれて本当に助かりました」というありがたい言葉を頂けた。





A君の家庭教師での振り返り

・早い段階で、A君への勉強だけのアプローチに限界を感じ、「田畑先生の好きなようにやってくれて構いませんよ」と言ってくれた御家族のご厚意に助けられた。


・不登校の子どもの関わり方に悩んでおられたので、本当は専門機関に繋いだ方が良いかと思われたが、当事者がそれを望まない限り繋げる事が難しいと感じた。


・今まで塾や家庭教師として数多くの子どもの勉強をみてきたが、最終的にA君が一番前向きに勉強してくれた。学校に行けている子どもはみんな"勉強やらされている感"がある。学校教育の本質は何なんだろう、と考えさせられた。