しょっぱなから、「他力本願」!!!詩を書くときって色んなきっかけがありますが、この作品は芸術家の大竹伸朗さんの「EZMDⅠ」 という絵を見て、そこからインスピレーションをもらって作ったものです。
結構そういうのあるんですよね。今まで作ったのだと、画家のマグリットの絵を基にした「マグリットプラン」シリーズとか、手塚治虫さんの漫画を題材にした「手塚計画」シリーズなど・・・
私はピアノとウッドベース、朗読という不思議なジャズトリオを組んでまして、そこで自作の詩を読んだりしてます。そういう活動を通じて曲からインスピレーションもらって作品を作ることもあります。そういうパターンを自分では「他力本願」と呼んでるわけです。まあ、それが悪いってことはないんですけどね。気に入った作品が出来ればうれしいもんです。
そのジャズトリオ、『ノマド』っていうんですけど、そのオリジナル曲である「Blue sky Red dragon」という曲でこの詩は読んでます。
「石人間がやってきた」 ~PStoSO1~
まだ潤いのある大地だったが
これでもうおしまいだ
男たちは運命を呪った
女たちは未来を悲観した
じゃあ子どもたちは・・・
石人間と笑顔で遊んでいる
はっぱのおふねをつくりましょ
石人間が触れるとキラリと光って
舟は崩れた
はっぱのおふねをうかべましょ
石人間が手を伸ばすと
さわーっと波が立って
水は消えた
ひとり また ひとり
こどもはかなしみ ないてゆく
後ずさりながら
遠ざかりながら
これから潤うはずの大地だったが
もうそれもない
男達は空を見上げた
女達は大地を見つめた
じゃあ子供達は?
石人間の周りを
笑顔で飛び跳ねる
かくれんぼしましょ
石人間が見つけると
子どもが一人消えた
オニゴッコしましょ
石人間が触れると
子どもが一人くずれてゆく
ひとり また ひとり
こどもはおどろき きえてゆく
石人間は立ち尽くす
笑顔かもしれない
無表情さを垂れ流して
石人間の顔らしき所が
キラリと光った
それは 涙なのか
太陽の襲撃を
知らせる
合図なのかは
誰にもわからない
ただ 大地が枯れること
だけは 保証された
悲しみと引き替えに
嘆きと悲しみを糧にして
石人間は生きてゆく
それが石人間のさだめだから
石人間は今日もゆく
絶望と後悔を与えに
今日もどこかにやってくる
石人間がやってくる