土曜日の
家族連れは
大きな
花束みたいだ
冒頭の一文。
息子の親権を手放して離婚し、一人暮らしをする「ゆい」。
金銭的にも行き詰まって、絶望の淵にいた。
今ゆいが思うことは、キラキラと輝いていた子どもの頃に戻りたいということ。
そんな彼女が、夜に思い出したり夢をみる子どもだった頃の思い出と、人との出会いによって、少しずつ生きる力を取り戻していく話です。
幸せそうに見えている人も、他人にはわからない痛みを抱えているかもしれない。
だから、自分の感情で人のことを簡単に決めつけてはいけない。
どん底の中にいるときも、どこかで光は射している。ただ気づけないだけ。
この本はそんなことを教えてくれました。
読んでいると苦しくなってきてしまうような辛い話もあるけれど、残るのはあたたかな日だまりのような読後感です。