いつも読んでいただいて感謝します。

2018年11月

知人の家の庭に迷い込んだ
一匹の犬

その犬は
どこからも
問い合わせもなく
引き取り手もなく

やがて保健所へと収容されました。


奥に見えている頑丈な檻
扉を閉めたら
薄暗いのでしょうか。
この扉を閉めるのを見たとき
ここにいる犬の心も
閉じる気がしました。

迷ったのか
捨てられたのか

何もわからないまま
日は過ぎて


保健所の人との
束の間の触れ合いが
どれほど
嬉しかったのか…

檻へ戻ることを
とても嫌がると知りました。

 
何故
誰も迎えに来てくれないのか
これからどうなるのか

毎日が
どれだけ寂しく
どれだけ不安な気持ちで
過ごしたのでしょう。


私が毛布を抱えて
見に行った日

帰る私を
いつまでも見つめていたと
職員さんに聞きました。

きっと
泣きたかったんだよね。
また檻に
戻って夜が来るのが
嫌だったんだよね。

 しっぽさんとアイン(しっぽさんが名付け親です)

この犬のことが
頭から離れなくなって

お正月を
檻の中で過ごすのか…
この先
この子はどうなるのかと
考えていた時

にゃーちゃんパパさんと
しっぽさんが
手を差し伸べてくれました。

もうあの檻に
戻らなくても良いんだよ。


しっぽさんのところから
アインが
我が家にやってきたのは
2019年の7月のこと。

『いい子だね』
毎日毎日
いっぱい歩いて
いっぱい頭を撫でて

 お友達も出来ました

遠い遠いところまで
毎日の散歩。
車も大好き…お出かけも大好き。


もう今は
走ることは出来なくなったけれど

我が家で
ゆっくりゆっくり
年を取っていこうね。

ひとりきりになることは
もう二度とないのだから…

 アインに何度も手を振って
 保健所を出るとき
 『また来るからね』と
 帰った日のことは
 私の胸の中にいつまでも残っています。
 アインのような子はいっぱいいるのです。


   2018年の冬から
   5回目の冬が来ます。

   時々思うのです。

   アインを捨てた人は
   アインのことを
   すっかり忘れたのでしょうか。
   忘れることができたのでしょうか。

友人から掛かった一本の電話で
アインの一生と
私が交差した
2018年の11月。


『アイン!大好きだよ!』




犬と出会う
猫と出会う

まだ出会ってないけれど
これから
出会う子もいるはずです。

どこかで
出会う日が来るまで

生き抜いていてくれたら
そう
願わずにはいられません。


去年の秋 紅葉🍁の中で。

今年の夏
もうダメなのかと覚悟したけれど
アインを元気にしてくれたのは
皆さんからの応援です。
医療の力はすごいけれど
【応援してくれる言葉】の
力を私は信じます。
冬を越し春を迎え…また夏が来て
アインと一日でも長く。

『アインは運が良かった!』
そう言われることがありますが

アインと出会えた私が
『幸運』だったのです。


 ☆ 2019年7月
   我が家へ向かう車の中で。

   どこで生まれたのか
   子犬のときも
   若いときも
   何も知らないけれど
   アインの【今】を知っています。☆