春分の日を過ぎて桜が次々に開花しています。
寒の戻りで今日は2月の気温だそうですが
小学校は今日が終了式、明日から春休みに入ります。

この時期は、別れが多い時期でもあり
息子も学年が変わって、クラス換えもあります。
変化とともに離れていってしまうものも多い季節です。

そんな事だけで胸がざわざわしています。

春は非常に胸がざわつくのです。




私が小学生の頃、大好きだった先生が辞めてしまうと知った時
私は泣きもしなかったし、行ってしまうと寂しいとか悲しいとか
そう言った感情を表に出して伝えることができませんでした。

口に出してしまうと、寂しさや悲しさを自分で認めてしまうことになり
一気に溢れ出る感情を抑えられなくなりそうだったから。

むしろ、去ってしまう人をなるたけ早く忘れてしまおうと
必死になっていた。

今になって、もっともっと、先生と一緒にいて楽しかったことや
先生がいなくなってしまうことが、とてつもなく寂しいことを
ちゃんと伝えていれば良かった、と思います。



祖父と祖母が亡くなった時も、あまり泣いた記憶がない。

仕方のないこと
いつかは、そうなると分かっていたこと

隣で、わあわあと声を立てて泣いている妹を横目に
しん、とした静けさが、ひたひたと自分の中に入り込んで来るのが怖かった。

深いところに埋もれてしまった寂しさ悲しさから
知らないふりをして背を向けていたような気がしています。




そして、春が来ると、あの時のざわざわした気持ちが再び蘇るのです。


蓋をしていた感情が湧き上がってくる


夜、花びらが散るのを見ていたら、もう、たまらなくなって
ますます、一人で泣きながら走りたくなるのです。


春は涙腺が緩む季節

それは、別れが多い季節だから、でもあるのでしょうが
生暖かい風や咲き誇った花々の香り
夢の中をゆるりと歩くような眠気が
日常に裂け目を作って、あちらの世界を垣間見せてくれるから
なのではないかと思っています。


蓋をしていたものが破裂するとき
土を押し出して芽吹き、自らを破って開いていく

出てきたものには、もう蓋をせず
しっかり愛おしむ


花は散るから美しいのですから