冬キャンプのためにペール缶で暖房用ロケットストーブ自作
キャンプを始めて7年目、今年は冬キャンプに挑戦したい!ということで暖房用ロケットストーブを自作してみました。ロケットストーブの基本的なことはwikiなどに詳しくかかれていますのでそちらをご参照ください。【めざすところ】①スクリーンタープの中で安全に暖まれるように煙突で排気(あくまで自己責任で、COメーター2個装備は必須)②持ち運びが可能③できるだけ廃品を利用【制作のポイント】①内部にしきり板をつくりストーブ内で排気の流れ道を長めにとり暖房効率を高めました②ペール缶2個を連結し着脱可能にしてメインテナンスしやすくしました③上部のペール缶に取手をつけて持ち運びしやすくしました【使用した材料】①ペール缶 2個 (ENEOSさんからいただきました。ありがとうございます。本体)②せんべい缶 1個 (底部分だけしきり板として使用)③ミニペール缶でつくられていたゴミ箱(ヒートライザー外筒)④ディズニーのクッキー缶 1個(ヒートライザー外筒)⑤106mm煙突 直管、エビ缶(排気用)⑥120mm煙突 直管、エビ缶、T字管(バーントンネル、ヒートライザー内筒:料理用に初めて作った一斗缶ロケットストーブから流用)⑦煙突固定用の自在締め付け金具 2個⑧パーライト 14l 2袋⑨ネジ、ナット⑩耐熱アルミテープ ③④は口径が異なりましたが工夫してなんとか継ぎ足して使用できました。【使用した工具】金切りバサミ、ドリル、ドライバー、ペンチ【製作工程】《1.ペール缶の連結》①上部用のペール缶の取手取り付け部のすぐ下のところでペール缶を横断する。私はドリルで連続して2−3個穴をあけ、そこから金切りバサミをいれて横断しました。かなり大変な作業ですがなんとかなります。2分した下の部分は下部用ペール缶にいい感じに連結できます。切り口は中に隠れるのでガタガタでもOKです。②下部用のペール缶の取手部分をペンチではずす。③上部用のペール缶を逆さにして置き、切り取った取っ手部分の円筒をペール缶の底部分に重なるようにしてドリルで穴を4ヶ所あけ、ボルト、ナットで固定する。これで上部用ペール缶に取手がついたことになる。取っ手についているプラスチックの握りは金切りバサミなどで切り取っておく。(私はこれを忘れ、試験燃焼のときに熱で溶かしてしまいました)④ペール缶2個を連結させ、重なった部分に4ヶ所ドリルで穴をあけ、ボルト4本を突っ込み固定する。ナットはあえて使用せず、簡単に抜き差しして上下のペール缶を外せるようにする。《2.下部ペール缶に煙突を通す穴をあける》⑤バーントンネル用は下端が地面から4cm, 排気用はその対面に地面から14cm ほどとしました。円筒形のものに正円の穴をあけるのは意外と難しいです。料理用のロケットストーブですが下記の記事が大変参考になりました。ありがとうございます。 http://mori21.com/wp-content/uploads/r_stove_making.pdf⑥穴をあけ、エビ缶を通す。固定は自在締め付け金具を使用、これがあるのとないのとでは煙突の安定感が大違いです。ホームセンターで見つけて是非使ってみてください。《3.下部ペール缶にしきり板を固定する》⑦ペール缶に仕切り板を固定し煙突側は排気の通り道に、バーントンネル側はバーントンネルとヒートライザーの通り道にします。仕切り板はせんべい缶の底部分がピッタリ。底部分だけ切り取って、のりしろのように1cmほど折り曲げ、ドリルで4ヶ所穴をあけてネジとナットでペール缶に固定します。わずかな隙間はバーントンネル側からアルミテープを貼って、パーライトが漏れ出さないようにします。《4.ヒートライザーの作成》⑧ヒートライザー内筒である120mm直管をエビ管につなげ、ペール缶を連結した天井部分から3cmほど低くなるように、直管を切断します。⑨②ではずしておいた下部ペール缶の取手の握り部分のプラスチックを切断して金属のみとし、仕切り板の両端に引っ掛けて固定。ヒートライザー外筒をこの取手に乗せるようにしておき、その対面に2ヶ所ドリルで穴をあけ、長めのボルト、ナットでヒートライザー外筒を押し付けて外筒の位置を調整しながら固定します。⑩ミニペール缶のゴミ箱だけではヒートライザーとしての高さが足りなかったのでディズニーの楕円形のクッキー缶の底を切り取り、円筒部を楕円から手で押して正円にしたものを継ぎ足しました。内筒と高さが揃うようにして、タコのような脚をつくるイメージで切り込みを入れ、ミニペール缶の上にのせます。《5.パーライトの充填》⑪断熱材のパーライトを下部ペール缶のヒートライザー部分とその上のヒートライザー内筒と外筒の間に充填していきます。パーライトは非常に細かい粒子なので吸い込まないようにマスクをして作業しましょう。《6.上部ペール缶の連結、固定》⑫④でやったようにボルトを4本連結部の穴に入れて固定します《7.試験燃焼と焼入れ》⑬さっそくキャンプ場へ、といきたいところですがもう一工程大切な仕上げ作業があります。屋外の換気の良い、近所迷惑にならない場所で試験燃焼をさせ、煙の逆流がないか、きちんと排気が煙突から勢い良く出ているかを確認します。しっかり燃焼すると、ペール缶には塗装がありますのでこれが熱で焼けてひどい臭いの煙がペール缶周囲から出ます。この塗装をしっかり焼き切っておかないと本番で周囲にガスを撒き散らしキャンプどころでないことになります。【おわりに】試験燃焼まではうまくいきました。反省点としては、古いものの流用ということでバーントンネルとヒートライザーは120mmの煙突部材を使用を使用しましたが、ロケットストーブの原則ではバーントンネル部は一番口径が小さくないといけないようです。試験燃焼ではうまくいきましたが今後燃焼効率などが悪ければ口径の小さいものに変更しようと思っています。また、パーライトと煙突部材の組み合わせは軽くてよいのですが、耐久性に難があります。いずれはパーライト4にセメント1を混合した断熱材にグレードアップしたいところです。そうすると今度は重量という問題がでてきますが。