「どうしたんだよ、兄さん達。僕だよ?健三だよ。」
健三はニコニコしながら真っ白な顔になった健一と健二に話しかけた。

昔の苦い記憶が蘇る。
健一、健二、そして健三はとても仲のいい三兄弟だった。健一は空手日本一、健二は将棋がとても上手で、健三は日本一とも言える秀才であった。秀才の健三は9歳なのに中学校に通っていた。でも、そのおかげでよく中学生にいじめられていたのだ。
ある夕方、三人で家に帰っている途中で健一は、
「なぁ、ちーは学校楽しいか?」
と聞いた。
「うん。楽しいよ、兄ちゃん。」
健三は微笑みながら答える。
「んじゃ、健ちゃんはぁ?」
「るっさいなぁ、楽しいよ。楽しいから。」
数秒間の間を空けてから、健三は、
「ゴメン、友達と遊ぶ約束してるから。」
と言い、住んでいるマンションの反対方向へ向かって走り出した。
その夜、健三は帰ってこなかった。心配になった健一は警察に電話をした。でも、翌日、健三は異体で発見された。何度も殴られた痕が顔や体に広がっていた。そして、彼の腹に小さなナイフが刺さっていた。健一と健二は何も言えず、ただ弟の亡骸を見つめていた。弟の隣には血で書かれた健三の最後の言葉が残っていた。「ありがとう」の一言だった。

「でも・・・なんで?ちーが死んだときはまだ9歳だったじゃん?なんでそんな大きく・・・」
と健一が聞く。
「うん、あのねー、死神になると僕らの主が年を決めてくれるの。『死神がガキだと信じにくいからお前には少し成長してもらおう』って言われたんだ。」
健二が答えた。
「あーぁ。時間がなくなっちゃうな。じゃ、選択行きますよ。兄さん達は生きたい?死にたい?」
今日の運動会中止。

てゆーか今晴れてるよ!!!!

ハゲ校長タイミング悪っ。



ああぁ・・・

小説の続きを書かなければ・・・


と言う訳で、今から書きます。
「う・・・んっ。」
気を失っていた健一が目を覚ます。目の前がぼんやりして何もはっきりしないが、凄く眩しい。健一はゆっくりと起き上がろうとするけれども、下半身の感覚がなく、起き上がる事が出来なかった。
やっと目の前がはっきりすると、彼は真っ白な個室に寝そべっていた。手を顔の前まで挙げると、血がべっとり付いていて深紅だった。すると、
「っつ!」
声が聞こえた。健二の声だ。健一は声を上げ、叫んだ。
「健ちゃん?大丈夫?健ちゃんっ!健ちゃんっ!?」
「んだ・・・っ・・よ。っつーか、・・・っ・・・健ちゃんっ・・って言うなっ・・・よ。」
大きなため息が聞こえた。
「よ・・よかったぁ。健ちゃん・・・っつ・・・がっ、いなぐっ・・・な゛ったらっ・・俺っ・・・」
涙を流しながら健一がしゃくり上げた。まだ動く事の出来る健二は自分の体を兄のところへ引きずって行った。健二は真っ白な部屋の壁に寄り掛かって、
「何オマエ、動けねぇの?て言うか泣くなよな、ダッセー。」
と冗談を言う。
すると、何もなかった壁に扉が現れ、紳士的な二十歳位の若い男が出てきた。初めて会ったのに何か懐かしい感じがした。彼はオールバックにした長めの黒髪に眼鏡、それに縦縞の入ったグレーのスーツにシワ一つないズボン。すると男は腕時計をふと見てこう言った。
「はい、三十分経ちました。本日の合格者は二名様になります。珍しい。いつもより多いじゃないですか。全く、面倒な事です。私の魔法力をいつも以上に奪う気ですかね、貴方達は。死神にも魔法制限があるのですから。」
二人の青年は訳の分からない状態でいる。
「まずは傷を治す事ですね。あれ、何処に、あ、ありました。」
紳士は胸ポケットからビー玉程度の大きさの真っ黒な物を二つ取り出した。すると、二人の高校生のもとへ歩き、差し出した。
「あぁ、えーとですね、どのお味がお好みですか?ぶどう味とメロンと苺味がありますが。」
スッと手をかざすと、黒いあめ玉は紫、緑、赤と色を変える。二人は何も言わず、ただじっと彼を見つめていた。すると、紳士は、
「何も言わないのならば私が決めてしまいますけれども、本当に何でもよろしいのですね?」
と言いつつ、健一と健二の口の中へそっと入れた。二人の口の中はほんのり甘いメロンの味が広がる。すると、驚く様な事が起こった。二人の体中に会った怪我が一瞬にして無くなった。ただそこに残ったのは真っ赤な血だけ。立ち上がる事が可能になった健一は男に駆け寄り、
「あのぉー・・・出口はどちらでしょうか?」
と聞く。スーツの男は、
「出口?出口はまだありません。」
今度は健二が立ち上がって、男に向かって叫ぶ。
「オイ。てめぇは誰だ?ここは何処だ?それと早くこっから出しやがれ!」
「あ、そうでしたね。私まだ名乗り出なかった様です。私、死神の西条です。西条健三です。」
すると彼はにやりとして、
「久しぶり。兄さん。」
の一言を言った。
二人の兄弟は固まって、無言になった。
そう、この男は五年前に死んだはずの健一と健二の弟だったのです。



続く・・・
to be continued...