時を遡ること一年前…。
その日は雨の降りしきる夜だった。
男はある場所に向かって車を走らせていた。
雨足はどんどん強くなり対向車のライトが男の視界を惑わしていた。
ワイパーも役に立たない程の大雨。
それでも男が車を走らせるのには理由があった。
二十分程走ったであろうか。
男は駐車場に着くといつもの場所に車を停めた。
くわえたタバコの煙が目にしみた。
サイドブレーキをかけ、タバコを灰皿に押し付ける。
外灯もない暗闇の中、男はタバコの灰が落ちないように慎重にタバコを消した。
火が消えたのを確認してエンジンを切ろうとしたその時だった。
ガタンッ!!!
聞き慣れない衝撃音と同時に男は………。
落ちた。
無重力。
男は地球にいながら無重力を体感した。
しかしなぜ!?
一瞬自分がどうなったか理解できなかった。
車はどうなったのか?
俺はどうなったのか?
窓の外を見るといつもの景色が傾いて見える。
陥没!?
ほんの一瞬…星が瞬く程のほんの一瞬の間に男の脳はありえない事を考えていた。
しかし謎は一気に解決した。
現場は駐車場。
男が車を停めた場所の前は深さ五十センチくらいの側溝。
そしてサイドブレーキをかけたもののギアは…。
ドライブのまま!
点と点が線で繋がった!
男がタバコを消すのに夢中になっている間、車は少しずつ進んでいたのだった!
獲物を狙う狼のように。
息を殺してじわりじわりと…車という名のハンターは側溝という名のターゲットに食らいついたのだった!
男は愕然とした。
傾いた景色が恨めしかった。
つづく…。
その日は雨の降りしきる夜だった。
男はある場所に向かって車を走らせていた。
雨足はどんどん強くなり対向車のライトが男の視界を惑わしていた。
ワイパーも役に立たない程の大雨。
それでも男が車を走らせるのには理由があった。
二十分程走ったであろうか。
男は駐車場に着くといつもの場所に車を停めた。
くわえたタバコの煙が目にしみた。
サイドブレーキをかけ、タバコを灰皿に押し付ける。
外灯もない暗闇の中、男はタバコの灰が落ちないように慎重にタバコを消した。
火が消えたのを確認してエンジンを切ろうとしたその時だった。
ガタンッ!!!
聞き慣れない衝撃音と同時に男は………。
落ちた。
無重力。
男は地球にいながら無重力を体感した。
しかしなぜ!?
一瞬自分がどうなったか理解できなかった。
車はどうなったのか?
俺はどうなったのか?
窓の外を見るといつもの景色が傾いて見える。
陥没!?
ほんの一瞬…星が瞬く程のほんの一瞬の間に男の脳はありえない事を考えていた。
しかし謎は一気に解決した。
現場は駐車場。
男が車を停めた場所の前は深さ五十センチくらいの側溝。
そしてサイドブレーキをかけたもののギアは…。
ドライブのまま!
点と点が線で繋がった!
男がタバコを消すのに夢中になっている間、車は少しずつ進んでいたのだった!
獲物を狙う狼のように。
息を殺してじわりじわりと…車という名のハンターは側溝という名のターゲットに食らいついたのだった!
男は愕然とした。
傾いた景色が恨めしかった。
つづく…。