心理療法の第1回目は行動療法です。出題率の高いポイントは次のとおりです。
①行動療法の概念
・アイゼンクにより統一された治療法概念(動物実験などにより構築された学習理論
に基く行動修正法)が提案された
・臨床的問題を行動として捉え、治療対象とする。行動とは単に行いだけでなく観察
可能な思考、認知、情動、生理反応など精神活動全般を指す。
・治療過程は不適切な学習の消去や新たな学習による行動の変容であり、人格の変容
は目的としない
・行動療法は認知理論が取り入れられたことによって変貌し、現在では4大モデル理論
(新行動SR仲介理論モデル、応用行動分析モデル、社会学習理論モデル、認知行動
療法理論モデル)がある
②新行動SR仲介理論モデル
・古典的(レスポンデント)条件付けに基く技法でアイゼンクの情動学習消去技法である
現実的脱感作法、暴露反応妨害法とウォルピの逆制止原理による系統的脱感作法が
ある
・現実的脱感作法にはエクスポージャー(暴露法)とフラッディングがあり、刺激によって
生じる不安は持続しないことを用いて不安刺激に直面させることで不安を消去する
・エクスポージャー(暴露法)が不安階層表に基き弱い不安刺激から順に直面させ慣らし
ていく(刺激般化)のに対し、フラッディングは最初から最も強い不安刺激に直面させる。
・暴露反応妨害法は不安刺激によって生じる不安を抑えようとする回避反応を妨害して
止めることを続けることで不安を減らす
・系統的脱感作法は逆制止原理(弛緩と不安は同時に体験できない)を利用して不安
階層表によって弱い不安刺激から順に直面させ、同時に筋弛緩(シュルツの自律訓練
法やジェイコブソンの漸進的弛緩法による)を体験させる拮抗条件付けで不安を消去
する
・現実的脱感作法や系統的脱感作法は神経症や不安障害、暴露反応妨害法は脅迫性
障害や摂食障害の治療にそれぞれ用いられる
・現実的脱感作法を適用する際の注意点として、不安が消去されないまま治療を中止す
ると悪化するため、治療者とクライエントの信頼関係が形成され治療への動機付けが
なされていること
余談ですが、公認心理師カリキュラム等検討会第4回議事録を見ると国家試験では
「実地に即した問題を可能な限り多く出題したい」と記載されています。やはり事例問題
の出題率が高くなるのだと思います。臨床心理士試験も毎年事例問題の出題率が高く
なり、100問中30問以上出題されているとの推測もあるようです。
現任者講習会でも「主な分野に関する課題と事例検討」について7.5時間もとられていま
す。講習会でどのような課題に対する事例か明らかにされると思います。
いずれにしても事例問題対策に時間をかける必要がありそうです。