H26年度の臨床心理士試験に「虐待と発達障害の心理アセスメントに関する問題」が

出題されました。多動性や落ち着きのなさという特性が発達障害か虐待か、どちらに

よるものなのか問う問題でした。併せて愛着障害の問題も絡めてあってやや難しい

問題です。

虐待、発達障害、愛着障害、いずれも事例検討の課題として取り上げられる可能性は

高いと思います。たまたま下記のYUKIさんのブログ「いつも空が見えるから」を見ていた

ら、杉山登志郎先生の著作「子ども虐待という第4の発達障害」についてコメントされて

ました。とても勉強になりますので、ご参考下さい。

 

https://susumu-akashi.com/2013/12/%E7%AC%AC%E5%9B%9B%E3%81%AE%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3/

 

臨床心理士試験では、ここのところDSM-5についてDSM-Ⅳからの変更点に関する

問題の出題率が高くなってきています。公認心理師試験も精神医学のウエイトが高い

ことから、DSM-5の変更点についての出題が予想されます。

 

DSM-5に関する分かりやすい資料を見つけました。

1つは埼玉県の精神保健福祉だよりで精神科のドクターが説明している資料で、

とても分かりやすい表現でDSM-Ⅳからの変更点が記載されています。

http://www.pref.saitama.lg.jp/b0606/documents/601977.pdf

 

2つ目は精神神経学雑誌の資料で、DSM-5病名・用語翻訳ガイドラインが記載され

ています。

https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/dsm-5_guideline.pdf

 

 

心理療法の第1回目は行動療法です。出題率の高いポイントは次のとおりです。
①行動療法の概念
・アイゼンクにより統一された治療法概念(動物実験などにより構築された学習理論
 に基く行動修正法)が提案された
・臨床的問題を行動として捉え、治療対象とする。行動とは単に行いだけでなく観察
 可能な思考、認知、情動、生理反応など精神活動全般を指す。
・治療過程は不適切な学習の消去や新たな学習による行動の変容であり、人格の変容
 は目的としない
・行動療法は認知理論が取り入れられたことによって変貌し、現在では4大モデル理論
 (新行動SR仲介理論モデル、応用行動分析モデル、社会学習理論モデル、認知行動
 療法理論モデル)がある

②新行動SR仲介理論モデル
・古典的(レスポンデント)条件付けに基く技法でアイゼンクの情動学習消去技法である

 現実的脱感作法、暴露反応妨害法とウォルピの逆制止原理による系統的脱感作法が

 ある
・現実的脱感作法にはエクスポージャー(暴露法)とフラッディングがあり、刺激によって

 生じる不安は持続しないことを用いて不安刺激に直面させることで不安を消去する
・エクスポージャー(暴露法)が不安階層表に基き弱い不安刺激から順に直面させ慣らし

 ていく(刺激般化)のに対し、フラッディングは最初から最も強い不安刺激に直面させる。
・暴露反応妨害法は不安刺激によって生じる不安を抑えようとする回避反応を妨害して
 止めることを続けることで不安を減らす
・系統的脱感作法は逆制止原理(弛緩と不安は同時に体験できない)を利用して不安
 階層表によって弱い不安刺激から順に直面させ、同時に筋弛緩(シュルツの自律訓練
 法やジェイコブソンの漸進的弛緩法による)を体験させる拮抗条件付けで不安を消去
 する
・現実的脱感作法や系統的脱感作法は神経症や不安障害、暴露反応妨害法は脅迫性

 障害や摂食障害の治療にそれぞれ用いられる
・現実的脱感作法を適用する際の注意点として、不安が消去されないまま治療を中止す
 ると悪化するため、治療者とクライエントの信頼関係が形成され治療への動機付けが
 なされていること

余談ですが、公認心理師カリキュラム等検討会第4回議事録を見ると国家試験では

「実地に即した問題を可能な限り多く出題したい」と記載されています。やはり事例問題

の出題率が高くなるのだと思います。臨床心理士試験も毎年事例問題の出題率が高く

なり、100問中30問以上出題されているとの推測もあるようです。

 

現任者講習会でも「主な分野に関する課題と事例検討」について7.5時間もとられていま

す。講習会でどのような課題に対する事例か明らかにされると思います。

いずれにしても事例問題対策に時間をかける必要がありそうです。








 

心理査定・検査法の2回目です。これで検査法の基本はおさえられると思います。
・発達検査としてデンバー式発達スクリーニング検査、新版K式発達検査2001、
 ウズギリス・ハント乳児発達評価尺度、新版S-M社会生活能力検査、MCCベ
 ビーテスト、津守式乳幼児精神発達診断法、遠城寺式乳幼児分析的発達検査法
 について適用年齢、検査項目、特徴

・発達検査の始まりとされるビューラーの「小児検査」とゲゼルの発達診断に
 ついて検査項目の違い。

・神経心理学的検査としてベンダー・ゲシュタルト・テスト、トレイル・メイキング、

 レーヴン色彩マトリックス検査、三宅式記銘力検査、ベントン視覚記銘検査、
 ハノイの塔、WAB失語症検査、リバーミード行動記銘検査についてどの機能を
 調べる検査か

・認知症検査として、長谷川式認知症スケール(HDS-R)、MMSE、N式
 精神機能検査、N式老年用精神状態尺度、MSQについて何を判定する検査か

・とくにHDS-Rの9項目の質問内容、順序、判定、初期認知症の3つの機能低下

第1回目の公認心理師試験の難易度について様々な推測があります。
来年3月に指定大学院を修了される方の中には、臨床心理士試験と公認心理師

試験の両方を受験される方も当然出てきます。このようなことを考えると、2つの試験

の難易度に極端な差が生じることは考えにくいのではないでしょうか。講習会で出題

の範囲についてある程度言及されるかとは思いますが・・・。

今日、現任者講習会の申込書が掲載されます。

 

日本心理研修センターでの受講は下記から申込書をダウンロードし、

A4用紙に印刷し、簡易書留で郵送することを勧めています。

http://certified.shinri-kenshu.jp/support/seminar.html

 

日本精神科病院協会での受講はWEBでの申込だけです。

今日、下記のページにアップされます。

http://www.nisseikyo.or.jp/education/kenshuukai/kouninshinrishi/

 

いずれも先着順になっていますので早めに申し込まれた方が

よさそうです。

 

心理査定の方法には観察法、面接法、検査法の3つがありますが検査法の出題
率が高い傾向にあります。第1回目は心理査定の検査法について。ポイントは
次の点です。
・質問紙法としてMMPI、YG、MPI、エゴグラム、MAS、STAI、CMI、SDS、GHQ、

 BDIについて検査名、作成者、測定内容、とくにMMPI、YG、エゴグラムについて

 は尺度と解釈もおさえる。

・投影法としてロールシャッハ、TAT、P-Fスタディ、SCT、ゾンディ・ テスト、描画法

 について作成者、リンゼイの分類、実施法、解釈、とくにロールシャッハはカードの

  特徴、記号の意味、スコアの読み方をおさえる。

・描画法としてバウムテスト、HTP、DAP,DAM、DAF、KFD、風景構成法について

 開発者、教示、解釈をおさえる。

・知能検査として田中ビネーⅤ、ウエクスラー式、K-ABC、ITPAについて開発者、

 問題内容、適用年齢、結果の表示、とくにウエクスラー式についてWISC-Ⅳ、

 WAIS、WPPSIの適用年齢、下位検査項目をおさえる。
 
臨床心理士試験は、マークシート式なので記憶した人名や用語を書けるようにする

必要はなく、選択肢の中から正解を識別できればよいので、「聞いて覚える」勉強方法

の方が効率がよいです。公認心理師試験もマークシート式ですから同じことが言えます。

参考書の必要部分を読んでボイスレコーダーに録音し、何回も聴いているうちに覚えら

れます。おそらく講習会が始まる時分には予想問題集のようなものも出てくるのではない

でしょうか。聴いて覚えたことを最終的に問題集を解きながら確認するとよいと思います。






 

来年の2月に現任者講習会が始まれば、出題傾向についてもっと具体的な情報が
いろいろと分かってくると思いますが、第1回試験が講習会終了後の数ヵ月のちに

は実施されることを考えると、今から準備だけはしておこうと思います。

講習会まで約4ヵ月間あります。これくらいの時間があれば、もう一度基本部分
の復習ができます。受験者のみなさんのお役に立つかもしれませんので臨床心理
士試験の過去問における出題傾向ついて、心理査定、心理療法、精神症状、制度
・法律の順でアップしていこうと思います。基礎心理学は講習会修了後にあらた
めて出題傾向を検討した方がよさそうです。

 

毎週2回アップします。お気付きの点などありましたら、コメントでご指摘いただけれ

ば助かります。ご意見、ご質問を是非お願いします。

来年の第1回公認心理師試験に向けて、受験者のみなさんの情報交換の場に

なればと思っています。

 

公認心理師の現任者講習会の内容を見ると、科目は次の6つで時間数の配分は
公認心理師の職責5%、主な分野に関する制度26%、主な分野に関する課題と事例
検討26%、精神医学を含む医学に関する知識21%、心理的アセスメント10.5%、
心理支援10.5%になっています。

単純に時間配分が出題ウエイトを表すものではないとは思いますが、傾向として
制度、事例、精神医学が重視されているように感じます(個人の見解です)。
一方で、臨床心理士試験の出題傾向も当然ながら考慮する必要があると思います
ので、制度、事例、精神医学に加え、心理査定、心理療法・心理面接が主になる
のではないでしょうか(個人の見解です)。

 

臨床心理士試験の過去問10年分を分析しました。

 

分野を次の6つに分類して、各分野の出題率を算出したところ、
基礎心理学13%、統計4%、精神症状15%、心理査定20%、心理療法・心理面接31%、
制度・法律10%、その他複合問題7%でした。ここ数年を見ると、出題傾向が
変わってきているように感じます。事例問題、複合問題、精神症状に関する
問題数が増加しています。また法律、制度、DSMが改定されると、1年後には
出題されることが多いようです。過去問として公開されているのは100題中の
40題だけですので、全体としてはまた違った傾向も出ているかもしれません。


 

昨年、2回目にしてなんとか臨床心理士試験に合格しました。

 

1回目に不合格になった原因は分かっていました。
出題傾向の分析もせず、適切な参考書を使用せず、マークシート形式
の試験なのに「聞いて理解し記憶する」方法より「見て書いて記憶する」
方法を優先してしまったからです。2回目の試験は過去10年分の過去問をもとに
出題傾向を分析し、参考書を厳選し、重要箇所をボイスレコーダーに録音し
聞いて理解し記憶する勉強方法にしました。結果、自己採点ですが筆記試験は
7割以上とれたと思います。

公認心理師試験も同じ勉強方法で行おうと考えていますが、当然ですが過去問が
ないので出題傾向を分析できません。
そこで、臨床心理士試験の出題傾向と現任者講習会の内容から出題傾向を推測
してみることにしました。