追加された、
一本柱の鳥居、山王神社の楠、旧長崎医大の爆風で傾いた門柱、浦上天主堂の鐘、を巡って、
〆のちゃんぽん屋さんに着いた時にはラストオーダーの時間になっていた。
帰路は私が眠くならないようにと、あそこが良かった、ここはこうだったとか、ずっと喋ってる。
「ありがとね」
と言うと何が??って顔してるから
「りょうたってこんな喋るタイプじゃないでしょ、
だから ”ありがと” 」
と言えば、
『今日は俺の我儘いっぱい聞いて貰ったから僕の方こそ〝ありがとう〟です』
とニコニコしてる。
無事に涼太の家まで戻ってきた。
「じゃ、明後日会社で」
『今日は本当にありがとうございました、楽しかったです。
またお勧めの場所連れてってください』
「了解!次に行きたいとこ決めといてね。 じゃ、おやすみ」
そう言うと
『はい、これお土産』と小さな紙袋を渡された。
『ビードロ、綺麗だったんで買っちゃいました。 因みに僕のと色違いです』
くしゃっと笑って見せる
もう何なの、危ない!危ない!
「はぁーー、疲れた。」
家に着き先にシャワーを済ませリビングに腰を降ろすと
さっき受け取った紙袋からビードロを取り出した。
"綺麗"
鮮やかな色のビードロを見つめながらあの瞬間を思い出していた。
ひょいと帽子を取って被せてくれた時を…
ドキッ!としたことは、涼太にはナイショ。
ビードロを眺めながらそのまま寝落ちした。