『これで良かったの?』


「うん」




卒業生の姿もなくなった 校舎の一室


いつもの場所から いつも眺めてた場所を


その場所の主がいなくなった今も


課せられた日課のようにみてた。





大野先輩の姿が学校からなくなって半年が経ってた。



それでも日課は続いてる。




『あー!! 居た!


やっと見つけたよ。


ずっと探してたんだよ!』



息を切らして櫻井クンがガランと扉を開けた。




扉の音に驚いて振り返ってる私と


教壇に腰掛けてる二宮先生とを交互に見て



『なに?  どういうこと??


なんで先生がここに居んの?』




『なんで?って別に理由はないけど、お前が用事あるのは俺じゃないんだろ?』



ジロリと先生を一瞥して



『今日、クラスで使うやつの買い出し行こうって言ってなかったっけ?』



「あ、、、!」




『忘れてたの?』




「ごめん」




『いいよ。


まだ 間に合うからさ、


今から行くよ?


大丈夫だよね?』



「わかった」




本当は忘れてなんかなかった。


体育祭のクラス対抗の競技に団結力を高める為に揃いのハチマキをしよう!となんともベタな提案にみんなも乗り気になって、
言い出しっぺの櫻井クンと何の係りにもなってない私とで買い出しすることに決まってしまった。



でも、櫻井クンって女子の中では人気があって

やっかみとかそんなのが嫌で忘れたことにして逃げてきたのに、、、


まさか探してるなんて思わなくて、悪いことしちゃったかな。




頭が良くて、気配り出来て、イケメンの櫻井クン。


決してキライじゃない。


いい人だと思う。



ただ、あらぬ嫉妬の対象になりたくないだけなの。



女子の世界はいろいろあるから。


なんだかちょっと気が重いなぁ、、、。




そんな私の思いを察したのかどうかはわからないけど



『いってらっしゃい』


と背中を押すように二宮先生が言った。



櫻井クンもその言葉に付いて



『ほら、行くよ!』



と手首を掴んで引っ張ってく。




私は先生を恨めしく振り返った。













やっぱ、妄想モードあせる

そして、やはりスルーでよろしくお願いします。


(((o(*゚▽゚*)o)))