Bad Religionで「American Jesus」

Bad Religionは、メロディック・ハードコアのスタイルを生み出したバンドの一つ。アメリカを代表する現代パンク・ロックの重鎮としても知られる。
Bad Religionは結成以来、世界情勢・戦争・貧富差などについて真摯に向き合う姿勢を貫き続けており、歌詞のテーマは宗教的なものから人間の生き方を問う哲学的なものまで概して難解なことで知られる。時には母語話者でさえ辞書を引かないとわからないほどの難解な語彙を多用するため、一部からはレキシコン（辞書）パンクスとも呼ばれている。
この曲は、叙情性・哀愁味を帯びたメロディーラインが非常に印象的なBad Religionの代表曲にして、名曲中の名曲。

この曲は、湾岸戦争中に当時のアメリカ大統領ブッシュがしきりに口にしていた「We'll win, because God is on our side!」という言葉を皮肉ったものらしい。

そして非難の矛先はアメリカの権力者だけではなく、自分たちが世界の中心だと信じて疑わない傲慢なアメリカの国民性や、キリスト教的な価値観にも向けられていると思われる。

訳してみたので歌詞載せます。

（和訳）

俺は地球の一員になる必要はない
国籍に恵まれているから
俺は繁栄を続ける民族の一人
俺たちは名声を力ずくで手に入れる

俺たちを陥れようとするものがあろうと
俺たちを引きずり落とそうとするものがあろうと
力をみなぎらせた軍隊が
至る所に潜んでいる

俺たちにはアメリカのキリストがついている
ハイウェイでその姿を見るはずだ
俺たちにはアメリカのキリストがついている
神が大統領の地位に一役買っている

俺は地球の皆を気の毒に思う
アメリカに住めるのは限られた人だけだ
少なくとも外国人は俺たちのモラルを真似できる
アメリカに来ることはできても　留まることはできない

繁栄を手に入れることができるのは　ごく少数の尊い民族だけだ
その事実が新たな自信をくれる
俺たちには死んだ後に行く場所がある
世界の創造主もこの国に住んでいる

俺たちにはアメリカのキリストがついている
国民の信仰を強めていく
俺たちにはアメリカのキリストがついている
毎日数百万人を圧倒する

神は不毛の地の農場主
（神に誓って）
軍が振るう力
飢えに苦しむ数百万人の表情
(神は俺たちの味方だから)
人間の力
(破壊せよ）
差別主義者の力の源
(屈服せよ)
殺人者の動機であり良心
(神はおまえの罪を償ってくれる)

神はテレビの説教者
(強い心)
偽りの誠意
(明確な意思)
巨大なコンピューターが書いた定型メール
(無限の慈しみ)
核爆弾
(おまえの負けだ)
母親のいない子供達
(俺たちの勝ちだ）
神が俺の中にいるなんてゾッとする
(神は俺たちの頂点に君臨する)

俺たちにはアメリカのキリストがついている
ハイウェイでその姿を見るはずだ
俺たちにはアメリカのキリストがついている
権限の行使

俺たちにはアメリカのキリストがついている
国民の信仰を強めていく
俺たちにはアメリカのキリストがついている
毎日数百万人を圧倒する

神の下にあるたった一つの国
神の下にあるたった一つの国
神の下にあるたった一つの国
神の下にあるたった一つの国

アルバム

「Recipe For Hate」より

Bad Religion 『American Jesus』