自由気まま の JUNKSTORY

自由気まま の JUNKSTORY

写真と日常とひとりごと


書こうと思っていた出来事を

ずっと書けずに5ヶ月が経ってしまった。

もうあの日から5ヶ月経つんだなぁ。

あっという間に半年が来る。



2023.6.15(木)


母方の姉の家にいるわんこ・リクが旅立ってしまった。

15歳だった。

7月11日になったら16歳。

まだまだ一緒に過ごせると思ったのに…。


15年前、おばちゃんがペットショップに行って

値下げされてるのを見つけて連れて帰った子。

(値下げっていうのが気に入らない。)

「犬を迎え入れた」という連絡を受けて

おかんと見に行った。

生後2ヶ月のリクがケージの中にいた。

黒いキラキラした目がこっちを見る。

オカンが即心を奪われて飼い主以上に可愛がった。

可愛がって甘やかすあまり、

オカンがリクを留守番できない子にしてしまった。

その責任(というべきなのか)で、

おばちゃんが仕事の時はリクを家まで迎えに行ったりして

とにかくリクに時間を費やしてた。

当時、仕事が見つからず職探しに明け暮れていた自分も

リクのお世話をしていた。

朝早くにウチへ来て夕方に連れて帰る、

ほんとに"子守"だ。


それからは我が家もリク中心の生活。

週末は決まって我が家に泊まりに来る。

始めはうるさがってた親父も溺愛し始めて散歩係に就任。


リクが来た当初は萩まで遠出したり

近くの公園に行ったり、とにかくいろんなところへ行った。


犬は人間よりも寿命が短い。いつかは別れが来る。

分かってた。

元気なうちは現実味を感じられなかったけど

10歳を迎えだんだん白髪が生えてきて

歳が増えるごとに体にも変化が出てくる。

ダックスはヘルニアになりやすい。

もちろん、リクもなってしまった。

元々体が大きいので余計に足腰に負担がかかってたと思う。

そのうちには白内障にもなってきた。

そして耳も聞こえづらくなってきた。

少しずつ最期に近づいてきてる…


体にもいくつか腫瘍が出来ていて

悪性か良性かの判断を見てきていた。

ただ、、一つ癌化したらしい。

そこからみるみる痩せていき、

頭は骨がわかるほど痩せた。

食欲はあるけどその食欲も波があるみたいで

食べる時と食べない時もあった。


呼吸が荒くなったり、トイレも自分で出来なくなったり

病院に連れて行ったり、

オカンは惜しみなくリクを最期までみてた。


6月15日の夕方、オカンに連絡が。

リクが息を引き取った連絡だった。

ちょうどウチは仕事から帰ってきてお風呂に入ってた時、

叫び声が聞こえたから何やろうと思ってたら

オカンが来て泣きながら首を横に振った。

その時に「あ、、ダメやったんや」と悟った。

驚きとショックで涙が出ない。

でもリビングでオカンが泣き叫ぶ声が聞こえる。

親父にも伝えんといけんと思うけど

どう言い出そうか悩んでたら仕事から帰ってきた。

伝えたら親父も狂ったように泣いた。

まさかあの親父が泣くと思わんかった。


夜に会いに行こうと家族でリクの元へ。

ダンボールの中にお花が飾られて

その中にリクが横たわっとる。

あんなにせわしく走り回って

元気やったリクの姿はもうない。

まるで剥製みたいに作り物みたいに

リクの亡骸が目の前にある。

触るとほんのり体温を感じた。

お腹には保冷剤。

(内臓から腐敗が始まるそうでお腹とか冷やしておくらしい)

オカンも親父も大泣き。

ウチは現実を受け入れられないのと、

両親とも精神状態が不安定なのに

ウチまで崩れるわけにはいかんと気も張ってたと思う。

しばらくリクとの時間を過ごして

オカンと氷とお花を買いにスーパーに行った。

親父はその間ずっとリクを見てたみたい。


葬儀は17日に行われた。本格的な夏目前。

この日は陽射しが痛いくらい暑い。

雨じゃなくてよかった。

葬儀場の方に挨拶をして、亡骸が台の上に置かれる。

たくさんのお花とおやつを置いて

メッセージカードを書かせてもらった。

涙で全然字が書けないし見えないし、

けど精一杯の想いを伝えるために必死に書いた。

お経をあげてもらい、火葬する台車へ移動された。

1番辛い時が来た。もうリクの肉体がこの世から無くなる。

それが耐えられなくて皆泣いていた。

台車にお花を添えて…

皆が書いたメッセージカードは

横たわるリクの前足に挟んでもらった。

火葬場の人がリクを乗せた台車を炉の中へ入れた、、

もう悲しみがピークで呼吸もままならないくらい泣いた。

オカンは何度も何度もリクの名前を叫んだ。


火葬場の人はもうこういう光景を何度となく見てるから

慣れてる様子で話しかけてくる。

でも、「生まれ変わって出会うタイミングは人それぞれ」

「いつ出会うかわからないから

アンテナを常に張ってください。」

「今は悲しくて下を向いてしまうかもしれないけど

必ず出会う時が来ます。

だからその子からのサインを見落とさないよう

しっかり前を向いてください。」

と、言われた時は救われたなぁ。


外に出ると煙突から黒い煙が空に昇っていく。

カラッと晴れた空の中へ吸い込まれていった。

リクが魂になったんだなぁと思った。


それからしばらくして、

また見るのが辛い光景を目の当たりにする。

骨になって出てきたリクの姿。

なんとも呆気ない。

でも確かにそこにリクが生きたんだという

証のようにも思えた。

一つずつ骨を骨壷へ納める。

涙で滲んでなかなか掴めないけど

ゆっくり残さず拾い集めていく。

最後は火葬の人が喉仏を納めてくれた。

「喉仏が綺麗に残ってくれましたね」と。

なぜ喉仏というのかという説明もしてくれた。


そして僅かに取れる骨を残してくださり

遺骨を入れるチャームをオカンが買ってたので

そこに骨を入れてもらった。

ウチはというと、、遺骨のネックレスを忘れるという失態。

空気に触れさせると菌が付いたりしてしまうため

小瓶に詰めてもらって

とりあえず自分で入れることになった。

2時間くらいの滞在だったかな、最期の務めができた。

骨を抱いてリクの帰る家に帰宅。

いつもなら居るはずの姿は

小さな器の中に収まってしまった。


5ヶ月経った今も、我が家では

月命日には息を引きとった時刻にオカンがお経を流したり、

毎日お線香と水をあげたりお供えにおやつをあげたり

写真を飾ったり、思い出話をしたり

毎日毎日リクの名前を出してる。

オカンも親父さんもいまだにロスだけどね。

ウチは悲しまないようにしてる。無理矢理。

じゃないとズドーンと落ちるから。


でも、先日オカンが横になってテレビ見てて

ウチの方見て「何?」って聞いてくるから

「何が?」と聞き返すと、腰の辺りをツンと突かれたそう。

ウチ何もしてないよと言って、時計を見たら21時。

いつも我が家に来てた時、このくらいの時間になると

鼻先で突っついて「寝ようよー」と布団を欲しがってた。

リクが側に居てるんやなぁと。

前も黒い影をリビングで見たって言ってた。

ウチは全然見てないし感じてもないけどな。


これからだってリクのこと忘れないよ。

会いたいなぁ。

撫でたいなぁ。


15年という長いようであっという間な時間を

一緒に過ごせて嬉しかった。

さよならは言わない。

これからも一緒。姿は見えなくてもね。


ずっと大好きなリク。ありがとう。