流れる
突然温泉に行くことにした。
しかも泊まりで。
行き当たりばったりで出かける。
宿で晩ご飯を食べて、夜八時過ぎから近くの温泉地まで出かけることにした。
着いたのは九時過ぎ。
どこの温泉も閉まっている。
諦めきれない僕らは、ふと、明かりが着いている所を見つけた。
地元の人たちのために作られた共同浴場だった。
ー住民以外の方は夜7時まで
やっぱりだめか。
と、扉の奥に見える湯船から半裸の初老のおじさんが顔を出した。
あっ、誰か居る。やばい、早くいかないと。
はいりんさるね。
ーはあ、、でも僕ら住民じゃないんです。
よかよ、もうかやすところやけど。
はいりんさい。
おじさんは、住民でもない僕らを快く温泉に入れてくれた。
一言二言、ほんの少しだけ言葉を交わす。
おじさんは温泉の管理人だった。
おじさんはにっこり笑って言った。
どこから?
そうね、、、、
、、、、、来てくれてありがとう。
お礼を言いたいのはこっちの方なのに。
あまりにも素直な言いかたに面食らってしまった。
温泉地でも、いろんな人が暮らしている。
僕らにとっての非日常の中に暮らす人たち。
当たり前のことだ。
丁寧にお礼を言って、僕らは一足先に温泉を出た。
おじさんは裸のまま、デッキブラシで床をこすり始めている。
明日もきっと、同じように温泉につかり、同じように掃除をするのだろう。
いつも不思議に思うことがある。
温泉は、毎日毎日どんどん流れて、無くなることは無いんだろうか?
すくなくとも、あのおじさんが生きているうちは、枯れないでほしい。
枯れるわけないか。
おじさんにとっての日常。
そんなこと考えながらも温泉はどんどん湧きだしてきて、溢れて、流れ続けてて、
僕らは宿に帰った。
しかも泊まりで。
行き当たりばったりで出かける。
宿で晩ご飯を食べて、夜八時過ぎから近くの温泉地まで出かけることにした。
着いたのは九時過ぎ。
どこの温泉も閉まっている。
諦めきれない僕らは、ふと、明かりが着いている所を見つけた。
地元の人たちのために作られた共同浴場だった。
ー住民以外の方は夜7時まで
やっぱりだめか。
と、扉の奥に見える湯船から半裸の初老のおじさんが顔を出した。
あっ、誰か居る。やばい、早くいかないと。
はいりんさるね。
ーはあ、、でも僕ら住民じゃないんです。
よかよ、もうかやすところやけど。
はいりんさい。
おじさんは、住民でもない僕らを快く温泉に入れてくれた。
一言二言、ほんの少しだけ言葉を交わす。
おじさんは温泉の管理人だった。
おじさんはにっこり笑って言った。
どこから?
そうね、、、、
、、、、、来てくれてありがとう。
お礼を言いたいのはこっちの方なのに。
あまりにも素直な言いかたに面食らってしまった。
温泉地でも、いろんな人が暮らしている。
僕らにとっての非日常の中に暮らす人たち。
当たり前のことだ。
丁寧にお礼を言って、僕らは一足先に温泉を出た。
おじさんは裸のまま、デッキブラシで床をこすり始めている。
明日もきっと、同じように温泉につかり、同じように掃除をするのだろう。
いつも不思議に思うことがある。
温泉は、毎日毎日どんどん流れて、無くなることは無いんだろうか?
すくなくとも、あのおじさんが生きているうちは、枯れないでほしい。
枯れるわけないか。
おじさんにとっての日常。
そんなこと考えながらも温泉はどんどん湧きだしてきて、溢れて、流れ続けてて、
僕らは宿に帰った。
ジャズ喫茶
以前演奏させてもらっていたジャズ喫茶に行く。
もう半年くらい連絡を取っていない。
ずっとずっと挨拶にいかねばと思いながらも、腰が重かった。
昨日バーのマスターに会ったことが何かのきっかけになったのは間違いない。
ジャズ喫茶のマスターも、きっと何事もなかったように接してくれるだろうと思った。
ケーキを買って、お店に行く。
ひさしぶりやねー!!
ケーキ屋にケーキ持ってきたと?
面白いね。
そうかしまった。喫茶店とはいえここの売りはケーキだった。
、、、まあいいか。
貰い物じゃないと他の店のケーキなんて食べないだろう。
ーマスター、俺就職します。東京なんです。
寂しくなるね。
どういう意味でいったんだろう。
自分が居なくなることでマスターが寂しいと思ってくれたのか。
それとも、東京で働く自分が寂しいだろうなあと思ってくれたのか。
他愛の無い雑談をして、本題を切り出した。
ーマスター、また演奏させてくれませんか?
いいよ!
そうか、後二ヶ月しか無いね。。。
マスターは快く了承してくれた。
よかった。またここで演奏することが出来る。
小さな小さな喫茶店。
夜になると音楽が流れ出す。
コーヒーとケーキで何時間もおしゃべりするような、心にしっくりくる喫茶店。
ここで演奏できるのも後二ヶ月しか無い。
全力で演奏しよう。
ーマスター、俺一生音楽続けようと思ってます。
ーやめたらいっぺんにだめになってしまうような気がして。
お給料もらったら、誰かに習った方がいいよ。
東京はほら、いくらでもおるから。
大概の人はね、90パーセントはね、何十年か後にやめんかったら良かったーって思うんよ。
音楽をはじめて、いろんな人に知り合うことが出来たように思う。
最近、人生のことを考える。
もう三分の一は生きただろう。
この人たちとは、残りの一生縁が続いて行くんだろう。
そうあってほしい。
帰ってきたらまた演奏したい。
もう半年くらい連絡を取っていない。
ずっとずっと挨拶にいかねばと思いながらも、腰が重かった。
昨日バーのマスターに会ったことが何かのきっかけになったのは間違いない。
ジャズ喫茶のマスターも、きっと何事もなかったように接してくれるだろうと思った。
ケーキを買って、お店に行く。
ひさしぶりやねー!!
ケーキ屋にケーキ持ってきたと?
面白いね。
そうかしまった。喫茶店とはいえここの売りはケーキだった。
、、、まあいいか。
貰い物じゃないと他の店のケーキなんて食べないだろう。
ーマスター、俺就職します。東京なんです。
寂しくなるね。
どういう意味でいったんだろう。
自分が居なくなることでマスターが寂しいと思ってくれたのか。
それとも、東京で働く自分が寂しいだろうなあと思ってくれたのか。
他愛の無い雑談をして、本題を切り出した。
ーマスター、また演奏させてくれませんか?
いいよ!
そうか、後二ヶ月しか無いね。。。
マスターは快く了承してくれた。
よかった。またここで演奏することが出来る。
小さな小さな喫茶店。
夜になると音楽が流れ出す。
コーヒーとケーキで何時間もおしゃべりするような、心にしっくりくる喫茶店。
ここで演奏できるのも後二ヶ月しか無い。
全力で演奏しよう。
ーマスター、俺一生音楽続けようと思ってます。
ーやめたらいっぺんにだめになってしまうような気がして。
お給料もらったら、誰かに習った方がいいよ。
東京はほら、いくらでもおるから。
大概の人はね、90パーセントはね、何十年か後にやめんかったら良かったーって思うんよ。
音楽をはじめて、いろんな人に知り合うことが出来たように思う。
最近、人生のことを考える。
もう三分の一は生きただろう。
この人たちとは、残りの一生縁が続いて行くんだろう。
そうあってほしい。
帰ってきたらまた演奏したい。
マスター
お世話になっていたクラブ、というかバー?のマスターに道でばったり出会った。
当然ながら相変わらずかわっていない。
たった半年前のことだけど、懐かしい気持ちになる。
しばらく連絡していなかったことを詫び、就職活動をしていたこと、東京の企業に就職が決まったことを告げる。
そうや。
最後にライブしいや、お前が主催で。
東京がいいと思うぜ、おれは。仕事やるにしても音楽やるにしても。
どうせパソコン関係やろ?
なんで知ってるんだ。
この人は何でもお見通しだ。
言葉はぶっきらぼうでも、祝福してくれていることがわかる。
マスターは最後ににかっと笑って言った。
ま、俺は一生田舎もんでいいけどな!
マスター、俺またかえってきますから!
当然ながら相変わらずかわっていない。
たった半年前のことだけど、懐かしい気持ちになる。
しばらく連絡していなかったことを詫び、就職活動をしていたこと、東京の企業に就職が決まったことを告げる。
そうや。
最後にライブしいや、お前が主催で。
東京がいいと思うぜ、おれは。仕事やるにしても音楽やるにしても。
どうせパソコン関係やろ?
なんで知ってるんだ。
この人は何でもお見通しだ。
言葉はぶっきらぼうでも、祝福してくれていることがわかる。
マスターは最後ににかっと笑って言った。
ま、俺は一生田舎もんでいいけどな!
マスター、俺またかえってきますから!
