趣【omomuki】

趣【omomuki】

世知辛いと言われるこの世の中にも確かに存在する趣の類を愉しむ。

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年末年始の休暇に入る前に、

買った本がある。

アリストテレス『弁論術』。


長い休暇中に、たっぷりある時間に、

ゆっくりと読んでやろうと思って、買った。


岩波文庫だけれど、

けっこう分厚い本で、

内容も少々お固いので、

読むのには時間がかかりそうだと思ってはいた。


だから買うのもためらわれて、

ようやく意を決して、

この年末年始休暇に入る前に買ったんだ。


ところが。


この時点で僕は、この本を開いてさえいない。

積ん読第1号。今年の積ん読初めだ。


家にいればいたで、

やりたいことはいろいろと思い浮かんでしまい、

そんなことやらにかまけているうちに、

読書はどうしたって後回しになる。


いつになったら読み始められるのだろう。

読み終わるのは、どれくらい先のことか。


でも、これから読める大好きな本が手元にあるというのは、

至極幸せであるから、この気分を長く味わうためにも、

読み始めるのはもっと先にしよう、

などと思ってしまう自分を見つめる僕がいる。