6月18日(火)、BIGBANGのD-LITEが自身初となるソロワンマンツアー【D-LITE D’scover Tour 2013 in Japan ~DLive~】のファイナル公演を横浜アリーナで開催。1stソロアルバム『D’scover』に収められたJポップのカバー及び自身のオリジナル曲を全て披露し、13,000人を超える観客を虜にした。
薄い幕が下りたままの状態で歌い始めたのは、「歌うたいのバラッド」。まずは、その声だけで横浜アリーナの空気を震わせてゆく。シンプルでさり気ないが、その独特なその存在感の示し方に、冒頭から唸らされた。やがて幕が左右に開き、眩しい純白のジャケットを纏ったD-LITEの姿が露わになると、大歓声が沸き起こる。高音もものともせず余裕を持って響かせる、圧倒的な歌唱力には言葉を失ってしまう。続く「アイ」では天に舞い上がるようなファルセットを轟かせ、一言一言丁寧に表現したかと思えば、サビ前のフェイクでは伸び伸びと自由に表現。1曲の中でも様々な表現を見せ、楽しませてくれた。
3月末から始まったツアーが無事ファイナルまでこぎつけたことを感慨深げに語りながら、「僕は50%準備してきました。残り50%はここで皆さんと一緒に!」と、ファンと共に作り上げるライヴであることを強調。言葉通り、頻繁に会場に語り掛け、時にはサビを委ねたりしながら、距離の近いステージ作りを展開していく。曲によってはストリングスチームやダンサーも登場し、目にも耳にも多彩な刺激を与えてゆく。オリジナル曲「WINGS」では、勢いよくジャンプを繰り返しながら、生命力溢れる歌声をしっかりと聴かせせた。
MCでは、ファンへのアンケート調査によるアルバム収録曲「好きな歌ランキング」結果として、4位の「陽のあたる坂道」から1位「歌うたいのバラッド」までを発表。「今歌えますか?」と問い掛け、会場全体で「歌うたいのバラッド」のサビを歌ったのだが、後半で歌詞があやふやになるお客さんたちに「…わかりました!(笑) このくだりを上手く歌った会場はないです」と冗談っぽく応え、阿吽の呼吸が成り立つ信頼関係の存在を感じさせた。続く「やさしさで溢れるように」は椅子に腰掛け、元々は女性ボーカルで表現されていた繊細さを損なうことなく、しっとりと表現。完全に曲が終わる前から大きな拍手が自然と沸き起こったのも印象的だった。「逢いたくていま」には全身全霊を込めた魂の歌声に鳥肌が立ったし、会場にもどよめきが起きた。1曲1曲、全力で丁寧に表現しているのが、その歌声と表情からしっかりと伝わって来る。「夢の蕾」では、花びらが舞い散る映像を背に、目を閉じたり、時にはしゃがみ込んだりしながら体全体を駆使して歌の世界に入り込む姿が圧巻だった。続く「Try Smiling」は、韓国で2006年に「ウソボンダ」のタイトルでリリースされた記念すべき初めてのソロ曲。デビュー当時のまだあどけなさの残るD-LITEの写真から現在に至るまでが映し出される中で歌われ、時の流れと大きな成長を感じさせた。
中盤に差し掛かると、「ファンの皆さんにオススメしてもらった曲の中から歌ってみます!」との言葉から、アコースティックギター2本の伴奏に合わせて「未来予想図Ⅱ」を歌い始める。続く「星になれたら」ではバンドも加わり、会場全体と共に歌い、ハンドクラップを繰り返しながら一体感を高めていく。スクリーンに映し出されたD-LITEの表情は、この上なく幸せそうに見えた。
回のツアー中数々の土地にゲストアクトとして出演したYGファミリーのGUMMYのステージの後、再び登場したD-LITEは、後方の一段高いステージに駆け上がって行く。雪の降る様子やビル街の夜景などの映像が映し出される中、さらに高くせり上がった足場の上で、孤高に、力強く「粉雪」を歌い上げた場面はこのライヴのハイライトといって言いだろう。続き、ミディアムテンポで大人っぽい魅力のあるオリジナル曲「BABY DON’T CRY」を披露した後、しみじみと語り始めた。「4年前に事故にあって、今でも傷痕が残っています」と、左手の袖をまくって見せる姿に、息を飲む会場。2ヶ月の入院中は、匂いも味も感じられず、目の焦点も合わない状態だったと明かし、「このまま声が出なかったらどうやって生きていこうか?」と悩んだことを告白。「また声が出るようになったら、声が枯れても皆さんに力と希望を与えるために生きようと誓いました」とも。「皆さんには言葉にできないぐらい感謝しています。これからずっと歌い続けます! 10年後、20年後、30年後、40年後、50年後にもこの瞬間を皆さんと一緒に思い続けられたらいいなあ、と。50年先まで僕は皆さんのそばにいますから、皆さんもそばにいてください!」と力強く誓い、願った。
ホーンセクションも加わって「じょいふる」「そばかす」を底抜けに明るく披露した後、ピースフルなムードの中で迎えた本編ラストは、「Hello」。観客が一斉にサランヘポーズ(頭上に両手を置いてハートマークを作る)を贈る、というサプライズも飛び出して、会場全体が温かい祝福のムードに覆われた。ほどなくして巻き起こった「カン・デソン!(D-LITEの韓国名)」コールの中、本人出演の凝りに凝ったグッズ紹介映像が流れた後、再びステージの幕が上がった。トロットと呼ばれる演歌風の節回しが特徴的な「テバギヤ」「ナルバ、キスン!」をコミカルなダンスと共に披露して、会場は祭りのようなテンションに! 大きな盛り上がりの中、パーカーもTシャツも脱ぎ捨てて黒いタンクトップ姿になったD-LITEに対し、悲鳴のような歓声が浴びせられる。「皆さんまだ力残っていますか~? では皆で跳んでみましょう!」の声に合わせて、「WINGS」「じょいふる」も再度披露。バンド、ダンサー一同を交えたカーテンコールの末、大きな薬玉が出現し、「D-LITE ぜんこくツアーおつかれさまでした!」と書かれた垂れ幕が。その後も途絶えることのないアンコールに、「ナルバ、キスン!」を再び。「今日は本当にありがとうございました!」と挨拶したD-LITEは、胸の筋肉を曲に合わせて動かすなどどこまでもサービス精神を発揮、最後まで疲れを見せない全力のパフォーマンスを見せた。
http://www.excite.co.jp/music/report/1307_d-lite/”
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