【デッサンと、色彩と、自分の中の感情との調和。】
これはある場所で出会った言葉でして、
絵画の鑑賞の仕方について、目の前の霧がパァっと晴れるような、雷の一撃を受けたような、そんな感じさえ思わせる言葉でした。
デッサン(=もとの形)、
色彩(=色。塗り方)、
自分の中の感情。
が、バランス取れているところに、絵画がうまれる。
美しい風景画や、緻密な人物像を描いていた画家の感情は、それなりに落ち着いていたのであろうと思います。
見たままの形を、眼に映るままの色で、描く。
それができるだけの心のゆとり。
ちょっと愉しい気分だったり、ちょっと悲しい気持ちだったり、ちょっと鬱々としていたり、というのがたまに色やタッチに現れたりして。
それがその人の「表現」。
ピカソとか。
「もしかしたらこんなん私でも描けんじゃね?」と内心思ってしまうような、シュールな絵こそ、自分の感情の激しさとのバランスを取ろうと思うあまりにデッサンや色彩まで激しくなってしまった結果なんであって、
私みたいな素人が何の感情の高ぶりもないままに真似できるような代物ではないわけです。
例えばこんなのとかね。
シュールレアリスムすごく好きなんだけど、今までは謎解き(?)のように観ていた感が強かったな、としみじみ感じ入ったのです。
どういった感情が、どういったデッサンや色彩をもって調和に至ったのか、
そんな視点で観るのもまた愉しいなぁ、と。