引っ越し完了!
書庫も無事温存できたので少しずつ再開していきます。
さて、調子の方は相変わらず波があるので平均するとよいとも悪いとも言えない。
DBS装置を植え込みして1年4カ月位になるが、仮に症状に対して無効を0、完全制圧を1とするX=0→1の確率変数で仮に考えるならDBSの期待値E(X)=0.3-0.4位のところに収まる印象である。特発性ジストニアの場合、ベースが完全健康体なのでどうしてもE(X)は低くなる。基礎体力がが一般人のレベルより高いほど罹患による失効率は当然大きい。ジストニアは症状の日内変動、週変動ともに大きいのでDBSを植え込んでも悪い時は悪いし、いい時はいい。もとの気質がどの程度ストイックかでこの病気の見かけの重症度は大きく味付けされる。
1年半ほどで気がついたことを記載しておく。
①DBS刺激にはエスケープ現象が存在する。
文献的にはDBSの効果は植え込み後1年で最大効果を示しプラトーとなり、その効果が継続すると報告されている。しかしながら経験的にはじわじわと芯から外れるように効果は薄れてくる印象がある。これは挿入時より電極の位置が微妙に動いてくることが原因とも考えられるがそれならば電流幅(振幅)の調整のみで十分対応できるはずであるが実際のところどうにもいかくなってくる。位置の微妙な変位とは異なる機序でエスケープ現象が生じてくることが推定される。単なる刺激慣れではない。
②刺激の位相ずれが時々生じ、これがコントロールの増悪に影響しうる。
一定間隔の繰り返し単一直流刺激で制御を試みる限り、正弦または余弦波の単一関数で過剰波(または異常波)をジャミングしにいくことになるので位相が半波長位ずれると最悪のコントロールとなりうる(実際には複数の合成関数となるであろうからどのくらいずれたら最悪になるかは簡単には予想できないが?)。これは結構高頻度におこるので、一瞬刺激を停止して、再度刺激を開始することでかなりの場合対応できることが分かってきた。多分これは正しい対応だと考える。
③DBS刺激を一瞬止めると最悪の状況になる。
電極挿入で無刺激の状態は、電極挿入前の状態よりもはるかに悪い、完全に自制不能であるのでDBS刺激電極の挿入を行うということは一生直流刺激を継続すということを示す。
④電磁波過敏症を疑わせる皮膚症状を生じうる。
DBS挿入後しばらくしてから中等度以上の肌荒れが生じ、心電図の電極装着などで著しい出血斑が生じるようになった。これはペースメーカーに比べて圧倒的に周波数が大きいことが影響するのではないかと考える。これは少々保湿剤を使用したくらいでは改善は乏しい。いろいろ試して、タウリン1000-2000mg/dayの服用で軽減されることが分かってきた。NSAID/アセトアミノフェン投与で増悪するので注意が必要である。
⑤頸性ジストニアリハは動的ストレッチが有効で、最も効果を示すのはリズムトレーニングである。
ジストニアは別の方向から見ると筋の張力調整障害とみてとれる。したがって、いわゆるストレッチ(静的ストレッチ)は引き伸ばす筋の張力を増大させる負荷をかけることになるのでジストニアリハとしては最悪である。頸性ジストニアの動き自体、複雑に見えるが数個の異なる作用のある筋群による単振動を複合したものに過ぎない。単調なリズムの繰り返しなのでこれはリズムトレーニングで他の方向に置き換えが可能なようである。Gradientを考慮すると有効な方向ベクトルに向かわせるリズム運動が見つかるかもしれない。ダンス系のリハは姿勢保持にも短時間リセットにも有効である。