近代五輪は、フランスのピエール・クーベルタン男爵らの働きかけにより1896年、第1回大会がアテネで開催されました。
男爵は、世界に五輪の理念を広めることを目的として掲げました。それは「スポーツを通じた平和の実現」であり、勝敗だけでなく、ルールを遵守して正々堂々と全力を尽くすという「フェアプレー精神」の意義をうたうものでした。
第4回大会(1908年 ロンドン)では、有名な
「参加することに意義がある」
という言葉が誕生しました。これは米国と英国の選手間の対立が激化し、それが両国の国民感情の悪化に波及したことを憂慮した牧師の言葉なのですが、これを耳にした男爵は我が意を得たり。
手にした扇子で膝をピシャリと打って
「よぉ言うてくれた!参加することに意義がある、っちゅうのは至言やで。人生で重要なことはな、成功と違ごうて努力するなんや。真剣に戦ったかどうかが大切なんや!」
と声高らかに宣言しました。
このようにしてスタートした五輪ですが、今回で第32回を数えました。途中、様々な大人の事情もあったにせよ100年以上継続したということは、それなりに意義深いものがあります。これからも政治や諸事情に負けずに、平和の祭典として継続されることを望みます。
ところで、表彰式では金メダリストの栄誉を称え国歌が演奏されるというのが習わしです。ここでは歌詞を付けずに曲だけが演奏されるのですが、皆さんはその曲にどのような歌詞が付いているのかご存知でしょうか?
歌詞を読むとその国の建国の歴史を垣間見るようで、とても興味深いものがある一方で、平和の祭典という五輪の精神に照らし合わせたときに、果たして相応しいかどうかは何とも言えないところがあります。ここは「歌詞は止めといた方が、丸く収まるんとちゃうか?」という大人の計らいがあったかも知れないですね。
■アメリカ国歌「星条旗」
戦争による破壊と混乱を自慢げに断言した奴らは何処へ
家も国歌もこれ以上我々を見捨てはしない
彼らの邪悪な足跡は自らの血であがなわれたのだ
敗走の恐怖と死の闇の前ではどんな慰めも傭兵や奴隷の救いたり得ず
勝利の歓喜の中、星条旗は翻る 自由の地 勇者の故郷に
■フランス国家「ラ・マルセイエーズ」
いざ祖国の子らよ 栄光の日は来たれり
暴君の血染めの旗が翻る
戦場に響き渡る獰猛な兵隊の怒号 我が妻子の命を奪わんと迫り来たれり
武器を取るのだ、我が市民よ 隊列を整えよ 敵の不浄なる血で大地を染め上げよ
■中華人民共和国「義勇軍行進曲」
いざ立ち上がれ 隷属を望まぬ人よ
我らの血と肉をもって新しい長城を築かん
中華民族に迫りくる最大の危機 皆で危急の雄叫びを
立て 立て 立て
敵の砲火に立ち向かうのだ 敵の砲火に立ち向かうのだ
