いつもの旦那じゃない
病院から帰宅して、その日は夜中だったのもあり子供たちを寝かしつけた後、旦那が心配だったのでリビングで一緒に寝ました。旦那は普段リビングで寝てしまうことが多く、一番安心するようでした。ただ、私は気付いていなかったんです。普段旦那は左耳を下にして、横を向いていることが多いことに朝、目を覚ましたとき、まだ旦那は寝ていて、子供たちを保育園に送ってきてしまおうと、そっと家を出ました。帰りに、お買い物をしていると、スマホがなりました。気付くと凄い数の着信全て旦那…。何か、あったのかと直ぐに折り返しました。すると、『今どこ?なにも言わないでいなくならないで。起きたらなにも聴こえないし、思うように歩けないしで怖いんだよ』と、今までの旦那にはあり得ない弱々しい声。こんな声を聞いたのは後にも先にもこの時だけです。声から、尋常じゃないものを感じたので急いで帰りました。すると、旦那はいつものように左を下にして横になっていました。『ただいま。大丈夫?』声をかけても振り向きません。急いで正面にまわると不安そうな旦那の表情が見て直ぐにわかりました。もう一度『ただいま』と言うとやっと安心した表情になりました。 右耳が聴こえないので、聴こえる方の耳を下にしていたことで、殆んど音が聴こえなかったのです。そして、右耳の聴力を失ったことで、平衡感覚も鈍り、真っ直ぐ歩けなくなっていたのです。目を覚ました瞬間に、聴こえるはずの音が聞こえなかったことで全く聴こえない恐怖が押し寄せてきた様ですこれまでに色々な病気を併発してそれでも、乗り越えてきた旦那。耳が聴こえないこと、思うように歩けないことが今までで一番の恐怖となってしまいましたその日を境に、旦那は一人で眠れなくなり、毎日、リビングで一緒に寝るようになりました。子供たちを別部屋で寝かせ、リビングに布団を敷き旦那を寝かせ、私はこたつで寝る。そんな毎日が続きました