長引く抗争に嫌気がさした私と紫は高飛びを決意。



いざ現実逃避の旅へ。

夏に二週間ぐらい付き合った人は大学生でした。

私の家の近所の大学に通う大学生でした。

初めて出会った時は、私の家と大学が近い事から話が盛り上がり

付き合ってすぐの時は、いつでも会えると盛り上がり

盛り上がり盛り上がり

別れた時の事なんて全く考えてませんでした。

コンビニへ向かう途中

スーパーからの帰り道

それから

向かいのホーム

路地裏の窓

違うか。

いつ会うかわからないと思ったら、スッピンにジャージなんて小汚ない格好で近所徘徊できなくなりました。

ちょっと煙草買いに行くだけでもいちいち着替えます。

化粧しようか迷います。

綺麗になって見返したいの☆なんてベタな事は思ってないし、よりを戻したいわけでもないです。

捨てられた女の意地です。

捨てられた女には捨てられた女なりのプライドがあるんです。

うっせ

捨てられた捨てられたって言うな。

引っ越したいけど無職です。
営業停止になった系列店のキャスト達が、一時預かりという形で私と紫が働いている店に移籍してきました。

騒げ・がっつけな移籍組の接客を味噌好き三十路社長は大絶賛。

遠回しに『見習え』と言ってくる始末。

今までそれとは真逆の接客スタイルでやってきた在籍組が面白く思う訳がありません。

組長、もといNO1は特にです。

小さな不満は次第に大きくなり、ついに大爆発。

在籍組と移籍組の抗争勃発。

とにかく相手側より多く売り上げろ!

在籍組の名の元に!

共通の敵ができた事で仲間意識が強まり、一家は今まで以上に仲良しに。

でも忘れないで。

私と紫、ヤル気ナインジャーなんだよね。

ボトルを空ける鉄砲玉になる根性も、客呼び特効隊になる気合いも持ち合わせてないんだよね。

私達も移籍組に対しての不満は多々あります。

我らが在籍組の勝利でこの仁義無き戦いの終結を迎えて欲しいとも思います。

それでもヤル気は出ないのが、ヤル気ナインジャーのヤル気ナインジャーたる所以なんだよね。

進化すると逃げるが勝ちナンジャーになります。