平成22年度の税制改正以前では、適格分社型分割において分割承継法人に対して個別評価金銭債権にかかる貸倒引当金を引継ぐことは可能ですが、一括評価金銭債権にかかる貸倒引当金は今までの貸倒実績率等から計算する一般的な将来の損失を見込んだ金額であるため引継ぎは認容されていませんでした(個別評価金銭債権にかかる貸倒引当金のように個人の債権と引き離すことのできない関係にないため)。しかし、平成22年度に税制が変わったことによって分割型分割においてみなし配当事業年度の規定がなくなりました。これによって、適格分社型分割と適格分割型分割のきまりが同一になり、適格分社型分割においても適格分割型分割と同じように一括評価金銭債権にかかる貸倒引当金に対しても分割承継法人に引き継ぐことができるようになりました(法法52(6))。
 貸倒引当金の算出に関しては、限度内の金額であるならば計算は任意によるものなので、一括評価金銭債権について会社分割のときに戻しいれたまま引き継ぐことに対して問題はありません。しかし、貸倒引当金の洗替による戻入益が計算されることによって多大な税を負担しなければならないので注意しましょう。
<解答>
 所有する土地等を、国、地方公共団体、独立行政法人都市再生機構等が行う土地区画整理事業により、その施工者またはその目的のために設立された土地開発公社等の団体に譲渡した場合には、譲渡所得の金額から2000万円が控除されます。この場合、これらの要件を満たせば、譲渡所得の計算は下記のとおりになります。

収入金額:7000万円
取得費:3000万円
譲渡所得:4000万円
特別控除:2000万円
差額合計(A):2000万円
所得税・住民税(A×20%):400万円

<解説>
1、 概要
 所有する土地又は土地の上に存する権利(以下「土地等」といいます。)が、国、地方公共団体、独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社が施行する土地区画整理法による土地区画整理事業において、施工者又は地方公共団体が財産を提供して設立した土地開発公社等の団体に買取られた場合には、その譲渡所得金額から2000万円を特別控除額として差引くことができます。

2、 適用要件
 特定土地区画整理事業のために土地等が買取られ、2000万円の特別控除の適用を受けるためには、買取られる土地等が、次に掲げる要件に該当することが必要になります。

(1) 土地区画整理事業に関する都市計画が定められている場合
一、 都市計画に定められた土地区画整理事業の施行区域内の譲渡であること。
二、 公共施設の整備改善・宅地の造成のための事業に供されることが確実であること。
三、 土地区画整理事業に関する都市計画の告示日以後の譲渡であること。

(2) 土地区画整理事業に関する都市計画が定められていない場合
一、 施行区域面積が30ヘクタール以上(重点供給地区内の場合には15ヘクタール以上)であること。
二、 土地区画整理事業として施行することについて、その市町村長の同意があること。
三、 公共施設の整備改善・宅地の造成のための事業に供されることが確実であること。
四、 一及び三について、国土交通大臣の証明があった日以後の譲渡であること。

3、 適用除外
 下記の特例の適用を受けた場合には、本特例の適用はできません。

(1) 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例。
(2) 特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例。
(3) 特定の事業用資産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例。
(4) 特定の事業用資産を交換した場合の譲渡所得の課税の特例。
(5) 大規模な住宅地等造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の場合の譲渡所得の課税の特例。
(6) 認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内にある土地等の交換等の場合の譲渡所得の課税の特例。
(7) 平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の課税の特例。

4、 建物の移転補償金の取扱い
 建物に対する移転補償金は、原則として一時所得の収入金額となり、2000万円の特別控除の対象とはなりませんが、建物を取壊した場合には、対価補償金に該当するものとして譲渡所得の収入金額にあたるものと考えられます。よって、この場合には、2000万円の特別控除の対象になります。

5、 手続き
 この特例の適用を受ける場合には、その年分の確定申告書に適用を受ける旨を記載するとともに、国土交通大臣(一定の場合には、都道府県知事)及び事業施工者の証明書を添付しなければなりません。

(注)平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間は、復興財源確保法により、所得税に加えて、復興特別所得税がかかります。
本問の場合は、税率が
所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計20.315%
となります。