事業譲渡によって100%子会社に事業移管をした際には譲渡資産の含み損は親会社において繰延べされ、資産を譲受した子会社はこれらの資産を時価で得ることとなっています。よって、資産においての含み損は親会社に残ってしまうこととなります。
一方、適格分社型分割によって事業移管をした際には譲渡資産は帳簿価額において子会社に移るので、資産の含み損が子会社に移転することになります。また、事業譲渡をした際には譲り渡した資産に関して消費税がかかることとなっています。さらに移転した土地や建造物に対しては登録免許税や不動産取得税が課されることになっています。これに関して消費税の計算上分社型分割を選んだ際には、手続きに付随する費用を除いて消費税は発生しません(分社型分割は課税対象外取引にあてはまるため)。また、不動産の登録免許税に関しては軽減税率が用いられ、不動産所得税については非課税要件を満たしている際には非課税になります。
このようにグループ法人税制によって一時的に法人税の支払いに違いがなくなった場合でも、法人税やほかの税目の扱い方法がまったく同一というわ けではありません。したがって、事業再編のストラクチャーの選択はこれまでと同じように専門家に事前に相談をする等慎重に対応することが必要です。
<解説>
1、 概要
税金は、原則として金銭で納税することとされていますが、相続税においては、金銭納付が困難な場合など一定の条件をもとに物納制度が認められています。その場合、原則として納付すべき相続税額を超える価額の財産による物納は認められていません。したがって、土地などの分割可能な財産であれば、分割を行って物納することになります。しかし、物納に充てる財産の性質、形状等により分割することが困難である等のやむをえない事情があると認められた場合には、超過物納が認められます。
この場合は、物納による財産の収納価額と納付すべき相続税額との差額は、過誤納金として金銭で還付されます。
2、 譲渡所得税の課税関係
相続財産を物納の許可を受けて物納した場合には、その財産の譲渡はなかったものとみなされ、譲渡所得税はかかりません。しかし、物納の許可は、その許可を受けた相続税額に対応する部分に限られます。したがって、超過物納があった場合に過誤納金として還付される金銭には、物納による譲渡所得の非課税の特例の適用はありません。つまり、超過物納により生じる金銭は、譲渡所得税の課税の対象になります。
3、 譲渡所得の計算方法
(1) 譲渡収入金額の収入すべき時期
物納財産を引き渡し、所有権移転の登記等により第三者に対抗することが出来る要件を満たしたとき。
(2) 譲渡収入金額(超過物納部分)の計算
物納財産の価額―物納財産の価額×{(物納の許可限度額÷物納財産の価額)}
(3) 物納財産が長期保有資産と短期保有資産とからなる場合の収入金額の区分
譲渡収入金額×(長期・短期譲渡となる物納財産の相続税評価額÷物納財産の相続税評価額の合計額)
(4) 取得費の計算
ⅰ 物納財産の実際の取得費が判明している場合
長期(短期)譲渡となる物納財産の取得費の合計額×(物納財産の譲渡収入金額÷長期・短期譲渡となる物納財産の相続税評価額の合計額)
ⅱ 物納財産の実際の取得費が不明な場合
譲渡収入金額×5%
実際の取得費が譲渡収入金額×5%以下である場合には、取得費はⅱで計算した額になります。
(5) 譲渡費用の計算
物納財産の譲渡費用の合計額×(物納財産の譲渡収入金額÷物納財産の相続税評価額の合計額)
4、 他の特例の適用
土地を物納財産とする超過物納は、国等に対する土地の譲渡にあたるため、土地の超過物納により還付される金銭に係る譲渡所得税の課税については、「優良住宅地等のための譲渡の軽減税率の特例」、「短期譲渡所得の軽減税率の特例」の適用があり、相続税の申告期限から3年以内の物納の場合には、相続税額の取得費加算の特例の適用があります。
1、 概要
税金は、原則として金銭で納税することとされていますが、相続税においては、金銭納付が困難な場合など一定の条件をもとに物納制度が認められています。その場合、原則として納付すべき相続税額を超える価額の財産による物納は認められていません。したがって、土地などの分割可能な財産であれば、分割を行って物納することになります。しかし、物納に充てる財産の性質、形状等により分割することが困難である等のやむをえない事情があると認められた場合には、超過物納が認められます。
この場合は、物納による財産の収納価額と納付すべき相続税額との差額は、過誤納金として金銭で還付されます。
2、 譲渡所得税の課税関係
相続財産を物納の許可を受けて物納した場合には、その財産の譲渡はなかったものとみなされ、譲渡所得税はかかりません。しかし、物納の許可は、その許可を受けた相続税額に対応する部分に限られます。したがって、超過物納があった場合に過誤納金として還付される金銭には、物納による譲渡所得の非課税の特例の適用はありません。つまり、超過物納により生じる金銭は、譲渡所得税の課税の対象になります。
3、 譲渡所得の計算方法
(1) 譲渡収入金額の収入すべき時期
物納財産を引き渡し、所有権移転の登記等により第三者に対抗することが出来る要件を満たしたとき。
(2) 譲渡収入金額(超過物納部分)の計算
物納財産の価額―物納財産の価額×{(物納の許可限度額÷物納財産の価額)}
(3) 物納財産が長期保有資産と短期保有資産とからなる場合の収入金額の区分
譲渡収入金額×(長期・短期譲渡となる物納財産の相続税評価額÷物納財産の相続税評価額の合計額)
(4) 取得費の計算
ⅰ 物納財産の実際の取得費が判明している場合
長期(短期)譲渡となる物納財産の取得費の合計額×(物納財産の譲渡収入金額÷長期・短期譲渡となる物納財産の相続税評価額の合計額)
ⅱ 物納財産の実際の取得費が不明な場合
譲渡収入金額×5%
実際の取得費が譲渡収入金額×5%以下である場合には、取得費はⅱで計算した額になります。
(5) 譲渡費用の計算
物納財産の譲渡費用の合計額×(物納財産の譲渡収入金額÷物納財産の相続税評価額の合計額)
4、 他の特例の適用
土地を物納財産とする超過物納は、国等に対する土地の譲渡にあたるため、土地の超過物納により還付される金銭に係る譲渡所得税の課税については、「優良住宅地等のための譲渡の軽減税率の特例」、「短期譲渡所得の軽減税率の特例」の適用があり、相続税の申告期限から3年以内の物納の場合には、相続税額の取得費加算の特例の適用があります。
