西暦2017年 8月16日 あの日は生憎の雨だった・・・・・・。
東京の空港から飛び立った飛行機は厚い雲に阻まれながら沖縄へ向かっていた
沖縄行きの航空機922便が雨雲を突き抜けたその瞬間、上空から落下する光り輝く何かに衝突し、富士山近郊の深い森の中に墜落していった。墜落する飛行機はパイロットの懸命な操縦により不時着を試みたが、太い木々に衝突した衝撃でエンジンが炎上し、脱出の隙もなく機体は爆発した。
爆発の影響は凄まじく森の木々に火の粉が移り瞬く間にその一帯は火の海と化した。
すぐに救助活動が開始されたが消防では手に負えないと判断し自衛隊が派遣された。しかしパイロットを含む含む乗客の生存は絶望的だった。機体は爆発四散し自衛隊の救助も虚しくガレキの中からは燃え尽きた遺体が発見された。
機体の破片が飛び散った遠方を捜索していた自衛隊の隊員から1通の無線が入った
「生存者がいるぞ。誰か来てくれ」
数人の隊員が現場に向かうと大きな右翼の下敷きになってはいるものの、息のまだある生存者を発見した。 すぐにガレキの撤去が行われ奇跡的に生き残った乗客8名は自衛隊のヘリで病院へと搬送されていった。
病院での素早い治療により生存者達は全員無事に一命を取り留めた。しかし、依然として意識だけが戻らず月日が経過していった。
月日が流れ2020年 6月 生存者の収容された病院に1通の電話が入った
「もしもし、私オカルト研究所の坂田と申します。3年前の航空機の事故で生き残った方々はまだそちらにいますか?そうでしたら是非調査させて頂きたいのです」
坂田と名乗る男は後日病院へと足を運んだ
「なるほど、今もまだ意識だけが戻らないと・・・。もう3年が経ちますね、ここにいつまでも入院させるのは得策じゃないですよね。そこでですが私達がこの方達を引き取りましょう。うちにも優秀な医者と設備が整った環境がありますので」
病院の院長はその話に了承し、翌日に生存者達は4台の大きな車で運び出された。
車は病院のある東京から離れ、田んぼの広がる地域まで走った。そこに田舎の風景には似合わない全面コンクリートで造られた建物が現れ車はその中へと入っていった。
オカルト研究所と書かれた建物に到着した生存者達は薄暗く広い地下に運び込まれ1人1人カプセルのような容器に入れられていった。8人全員がカプセルに入ると坂田は壁にある赤いボタンを押した。カプセルの中へ透明な液体が流し込まれ、液体で満たされたそれは金属の床の隙間に収められた。
それを見ていた白衣の男がパソコンのエンターキーを押すと、床が自動でカプセルを隠すように閉まった。
坂田はカプセルの入った床を見つめながら怪しげな笑みを浮かべた
「航空機墜落の原因となったあの光こそは創世の光・・・。その光に選ばれ光を体に受けとったこの方々が目覚めたその日こそ、長きに渡りオカルトを馬鹿にし続けて来た世界が滅び、新しく魔術を使う世界が始まりを告げる。羨ましいよ、あの光を調べれば調べるほど、私もあの光を浴びたかったと思う・・・。 君たちは選ばれた人だ。おめでとう」
白衣の男達は創世バンザイと叫びながら床に向けて拍手を送った