Ⅰ
DV加害更生プログラム参加者の中には、プログラムでの学びを続けていく過程で、パートナーとの関係性が変わっていく場合があります。
例えば、それまでは別居しており対面で会うことは皆無だったけれど、何らかの事情により、対面で会っていただける機会が増える(あるいは、半分同居のような状態になる)というケースです(私の場合もそうでした)。
「対面で会う機会が増える」ときに、注意しなければならないことがいくつかあると(過去の自分自身を省みて)感じています。
Ⅱ
一つ目は、「対面で会う機会が増える」ことと、「パートナーが自分のDV加害更生に関する自分の変化を認めてくれるようになる」ことは、必ずしもイコールでないということです。
結果的に「対面で会う機会が増え」たとしても、その理由は様々です。DV加害をした側が、「対面で会えるようになったから、自分の変化を認めてくれた」と思い込んで、軽はずみな行動をしてしまうと、パートナーの心身を一層傷つけることになりかねません。
Ⅲ
二つ目は、これと関連しますが、「対面で会う機会が増える」ことと、「DV加害行為が許される」ことは全くの別物だということです。
対面で会う/会わないは、パートナー側が何らかの必要性に迫られて、ということも少なくありません。必ずしも、パートナーが「DV加害行為を許した」から対面で会えるようになったとは限りません。それなのに、会っていただく機会が増えたことで、「もう自分は許されている」と勘違いした行動をとると、それがさらなるDVとなっていく恐れがあります。
Ⅳ
三つ目は、二度とDVをしない覚悟を持ち、実際に遂行するということです。
(別居を経て)初めて再び対面でパートナーと会ったときには、もう二度とDVを繰り返さないようにと細心の注意を払うでしょう。「対面で会う」ことが、自分にとって極めて特別な出来事となるからです。
真価が問われるのは、その先です。対面で会う機会が増えるにつれて、一つ一つの「対面で会う」ことが、「日常」に近くなってきます。いわば、「素の自分」が試されるようになるということです。
そうしたときに、素の自分として、本当に二度とDVをしない自分に変化できているかが問われます。
Ⅴ
対面で会う機会が増えることは、とても嬉しいことです。だからこそ、一層気を引き締めて、DV加害更生プログラムでの学びを実践し続けていくことが必要なのだと感じています。