昨日引き取ってきたカドハチグリーンに事故車に付いていた6800系アルテグラをまるまる移植することにした。
整備スタンドにぶら下げるためシートポストとサドルだけ付けた。
cannondaleのカドハチ(CAAD8)のオーナーズマニュアルには「整備の際にトップチューブをクランプするな」と書いてある。
これは強度と軽量化を極限まで突き詰めて肉薄化した代償で 過度のクランプはフレーム変形のもとになるから、だそうだ。
なのでシートポストをクランプするのが正解。
だけど僕のようにカーボン製のシートポストの場合はどうするんだろう?
同じcannondaleでもカーボンフレームの場合は?
純正装着品のシマノのブレーキ。
黒いだけで5700系105と性能差はないらしいけど…。
使わないから関係ないから 外しちゃいましょう。
FSAのゴッサマ。
クランク軸径が30mmの極太タイプ。
しかし「天下のシマノ様」のホローテック2は軸径24mm、このまますんなりとエクスチェンジはできない。
それはボトムブラケット軸受のベアリングがフレームに直接圧入されているから。
シマノ24mmクランクを使うには圧入されたベアリングを抜いて互換品に打ち替えるか ゲタ(アダプター)をかませるしかない。
今回はすぐに使いたかったのでゲタをかませることにした。
ベアリングはフレームに圧入された既存品を使いつつ クランク軸径が小さくなるようなリング状のアルミパーツだ。
BB30が悪名高い理由は使用期間がのびるとボトムブラケット付近から異音が発生することにあるらしい。
分解して部品構成をみたらその原因は簡単に理解できた。
ベアリングには緑色のシールが付いているが雨水浸入防止のウォーターシールが別途ついていない。
ベアリングとクランクのほんの僅かなこの隙間から水分が浸入し ベアリング内のグリスを少しづつ減らしていく。
その結果金属同士のスラッジや微小な砂埃がベアリングを傷付け 「BB鳴き」の異音を発生するのだろう。
防止(延命)するには自動車のハブベアリングのようなウォーターシールをつけるか 定期的に分解しグリスアップするのが良さそうだ。
かと言って圧入されたベアリングの入れ替え作業はメーカー推奨ではない。
キャノンデールさん、そのへんどうなのさ…。
※と思ったらBB30はBB30Aという新規格に変わりつつあるらしい。
ややこしい…。
そんなわけでダイソーのプラスティックハンマーでコンコンしてゲタを装着。
他にも圧入式の外部軸受けやドライブ側・ノンドライブ側で圧入・ネジ切りに分かれたもの、左右の軸受が連結されたもの…など社外品はたくさんリリースされているみたい。
シートチューブには前オーナーが購入したサイクルショップのステッカーが貼付されていた。
普通ならいの一番に剥がすだろうけど、店名が「グリーンサイクル」だったのでこのままにしておいた。
6800系アルテグラのキャリパーブレーキには3つの軸があり、スムーズな動きを実現するためローラーが内蔵されている。
奥に見えるのがそれだ。
洗車した際はこの部分と可動部のベアリングに浸透性のグリスを噴霧する。
間違ってもブレーキシューの当たり面に噴霧してはならない。
※5800系105や9000系D/Aの「SLR-EV」システムのキャリパーブレーキにも同様の「2ベアリング1ローラー」が内蔵されている。
仮組み完了。
時間にして2時間弱。
この時点でシートポストは前回のフレーム装着時の長さのまま取り付けてある(グリーンの輪ゴムが目印)。
ディレーラー調整をし、試運転シェイクダウン。
56→54サイズへ落としたのにサドル位置が全然高すぎた。
カドハチのフレームジオメトリがホリゾンタルに近いためサドルの有効高が前回よりも高くとれたからだろう。
ステム位置、向き、ハンドルやSTIレバーの角度は変更なし。
完成。
しかし焦って作成したせいか、2・3手直ししなければならない箇所がある…。
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【カドハチ初期費用】
フレーム cannondale CAAD8(54サイズ 2015モデル) 約35,000
BB30→24mm変換アダプター 3,150
FSAのクランクを外す10mmのアレンキー 200
引取りの際に飲んだコーヒー 6本
コンポーネンツ、ホイールは事故車から移植
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【メモ】
適合シートポスト外径 φ27.2mm(一般的なポスト径)
FD固定方法 バンド式 φ31.8mm(=1-1/4")
RDハンガー型番 KP255 or KP158
コラム外径(ステム取付) φ31.8mm
BB BB30(外径42mm、内径30mm)、サークリップ固定
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とりあえず間に合ったので良かった(*ˊᵕˋ*)
2016/07/13 記