商売
毎日、翌日の検査の案内やそれに付随する制限について記入された用紙を持って説明にまわる。
例えば、朝看護師が採血するために部屋を訪れることとか。造影検査に伴う絶飲食の制限時間とか。
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認知症のおばあさんとのやりとり。
M:「明日は、採血とレントゲンの検査がありますよ! 検査の時間になったら看護師が来ますね〜」
おばあさん:「何やって? 検査? 私は忘れちゃうから、書いておくわ」
M:「検査があるって用紙に書いて持って来たから、ベッドの横に貼らせてね」
おばあさん:「お〜、書いて来てくれたのか。姉ちゃん、私目が悪いんや。見えるかな」
M:「はいどうぞ、読めますか? 」
おばあさん:「わからんな〜、私自分で書いておこうかな。私はすぐに忘れてしまうんや。姉ちゃん、何て? 明日、何があるんや? 」
M:「明日の朝、採血するのと、午前中にレントゲンの検査があるから一緒に行きますよ〜。」
おばあさん:「紙に書いておけば忘れないかな〜。」
M:「代わりに覚えておこうか? 」
おばあさん:「姉ちゃん、覚えておいてくれるか? 私は、忘れるのが商売なんや。困ったもんやで。」
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時々怒りっぽくなっちゃうけど。
基本的に、ニコニコ笑顔のおばあさん。
忘れてしまうのは仕方がないからね。
やっぱり私たちが覚えていてあげよう!
