見上げてごらん夜の星を 1
空は雲っているのだろうか、いつものような星空を見ることができない。
そういえば、何日も見ていない気がする。
時にふれ、夜空を見上げて思いにふける癖がついてしまった。
しかし、こんな木枠で出来たすきま風の通る窓、いや窓というよりは古風な、昭和30年代風の飾りから見る夜空は何年ぶりだろう。
今日は特に冷え込むけど、夜風は心地いい。
そして僕は、こっけいな窓のついた4畳半の小さな部屋で、古ぼけたペンを取った。
「明日、取りに来るんだよな」
締め切りに追い込まれているものの、切迫した緊張感が無いのは、年を取ったからなのか、それともこの場所のせいなのか。
冷えきった腰をさすりながら、薄暗い部屋の中で、こぼれたインクで薄く黒ずんだペンをいつも以上に強く握りしめた。
小さい頃、2段ベットの上の段を我が基地として、段ボールで簡易版の机を設置した。
そこで、何をして遊んでいたかは、もう覚えていないが、なんだか懐かしく思い出した。
将来に夢見ていたあの頃。
希望に満ちたあの頃。
唯一、恐れるものは、父ちゃんのゲンコツ。
そんな、あふれるばかりの熱血漢は、何年前だろう、あの街でもっとも輝いていたに違いない。
もちろん、僕だけで無く、日本人すべてがそう思っていたに違いない。
ーつづくー
そういえば、何日も見ていない気がする。
時にふれ、夜空を見上げて思いにふける癖がついてしまった。
しかし、こんな木枠で出来たすきま風の通る窓、いや窓というよりは古風な、昭和30年代風の飾りから見る夜空は何年ぶりだろう。
今日は特に冷え込むけど、夜風は心地いい。
そして僕は、こっけいな窓のついた4畳半の小さな部屋で、古ぼけたペンを取った。
「明日、取りに来るんだよな」
締め切りに追い込まれているものの、切迫した緊張感が無いのは、年を取ったからなのか、それともこの場所のせいなのか。
冷えきった腰をさすりながら、薄暗い部屋の中で、こぼれたインクで薄く黒ずんだペンをいつも以上に強く握りしめた。
小さい頃、2段ベットの上の段を我が基地として、段ボールで簡易版の机を設置した。
そこで、何をして遊んでいたかは、もう覚えていないが、なんだか懐かしく思い出した。
将来に夢見ていたあの頃。
希望に満ちたあの頃。
唯一、恐れるものは、父ちゃんのゲンコツ。
そんな、あふれるばかりの熱血漢は、何年前だろう、あの街でもっとも輝いていたに違いない。
もちろん、僕だけで無く、日本人すべてがそう思っていたに違いない。
ーつづくー
