子供の頃から、私が困った顔をしたり、言いあぐねた言葉を飲み込んだりしたとき(電話のときも)・・・それは大人になってもずっと・・・母はいつも「どうした?」と一言。
 
 それが、この世のものとは思えないような?優しい響き。
 たいていは心配かけたくないから「なんでもない」と答えていたけど、もう、その時点で救われていた。
 

 母の「どうした?」は夢の中でも蘇る。
 

 「どうした?」
 
 これって、なにかあれば必ずなんとでもしてあげるってふうに聞こえたから、
 「いえいえ、そんなこと(何か不明だが)をさせてはバチが当たります。」

 今日、私はなんとなく心もとない。なんとなく沈んで、人の死ぬ、という定めばかりを見てしまう。

 「どうした?」
 母の真似をして自分に問う。