生きものが 立っているとき
その頭は きっと
宇宙のはてを ゆびさしています
なんおくまんの 生きものが
なんおくまんの ところに
立っていたと しても…

針山に さされた
まち針たちの つまみのように
めいめいに はなればなれに
宇宙のはての ぼうぼうを…

けれども そのときにも
足だけは
みんな 地球の おなじ中心を
ゆびさしています
おかあさあん…
と 声かぎり よんで

まるで
とりかえしの つかない所へ
とんで行こうとする 頭を
ひきとめて もらいたいかのように

(まど・みちお)